カマタマーレ讃岐の北野誠監督(51)は、0-1で敗れた東京ヴェルディ戦後の会見で、9シーズンにわたって指揮した讃岐の監督を退任することへの感慨を口にした。

北野監督は6日に、今季限りでの退任を発表した。故郷の香川県高松市をホームとする讃岐が四国リーグを戦っていた10年に監督に就任し、同年にJFL昇格、13年にはJ2、JFL入れ替え戦でガイナーレ鳥取を下しJ2昇格に導いた。ただ今季は、4日の栃木SC戦に敗れてJ3自動降格圏の21位以下が確定していた。同監督は「何だろうな…この9年、しんどかったし、守ってカウンターしか生き残る術がなかったので、そればっかりやってきたけど」と振り返った。その上で、今季について「自分たちでボールを握ろうということをやった。今日みたいにボールは握るが、最終的なところが出来なかったのが僕の力のなさ。ただ、選手は一生懸命やろうとしてくれた」と、主導権を握るサッカーにチャレンジしたものの実らなかったと口惜しそうに語った。

この日は、その言葉どおり、パスを回してボールを支配し、J1昇格プレーオフを狙う東京Vを押し込んだ。ただ前半12分、MF高木和正の左からの浮き球パスを、FW重松健太郎が頭で合わせた場面や、同19分に右からの浮き球パスをMF佐々木渉がヘッドで合わせた場面など、決定機を作りながら決めきれなかった。逆に同38分、相手の浮き球パスをDFが競り合いながらペナルティーエリア内に落とされ、そのボールを押し込まれた。

北野監督は、東京V戦について「今シーズン、ずっとこんな感じのゲームで、やはり最後のシュートであったり、シュートの前のラストパスの精度(の問題で決められない)。リスタートのファーストボールは勝てるけど、セカンドボールを押し込まれるシーズン。今日も、そういう試合。サッカーという競技は点を取ること、守ること。それが出来ていないと、こういう成績になるのかなと。非常に今シーズンの総括のようなゲームになってしまいました」と総括した。

17日の最終節は、ホームで京都サンガを迎え撃つ。北野監督は「残り1試合…応援してくれる人のためにも感謝の意を込めてしっかり戦いたい」と語った。質疑応答で「率いて9年…ホームでの最後の45分になりますが、どんなサッカーを見せたいですか?」と聞かれると、北野監督は「45分? 90分」と訂正した。そして「今シーズンの最後に、応援してくれる人のためにも、応えるゲームにしたい。今日みたいに、ボールを握ることが出来ている、ペースを持っているが負けるじゃなく、勝つことが出来ればいいなと思っています」と勝利を誓った。【村上幸将】