Jリーグ初のルクセンブルク国籍という話題だけじゃなかった。磐田FWロドリゲスが、来日初の実戦で放った初ゴールこそ、名刺代わりなのだろう。練習試合1本目の24分、ゴール前でFW小川航の落としに反応した。フリーになると、相手GKの位置を確認。右足を丁寧に合わせた。182センチ、81キロ。屈強な体とは対照的な、狙い澄ましたシュートでゴール右隅をとらえた。

「理想とまではいかなかったけど、うまく(足に)当てられた」と両手をたたいた。名波浩監督(46)も「早い段階で結果が出ることは、自信につながる。知ってもらうためにも、意味のある1点になったと思う」と評価。会場に集まった約400人のファン、サポーターからも大きな拍手が送られた。

試合後には、積極的にチームメートと話し込む場面も見られた。ロドリゲスは「自分を理解してもらうために、たくさんコミュニケーションを取っていきたい。日本語も覚えていく必要がある」と説明した。1日でも早いチームへの順応を目指す新助っ人は、すしやとんかつなど「全てがおいしい」と食文化への順応も見せる。

明日25日からは、鹿児島キャンプに入る。「何が足りないかをしっかり分析して、臨みたい」と気合十分のルクセンブルク初のJリーガーは、2月23日の開幕に向けて順調だ。【前田和哉】

◆ルクセンブルク大公国 ベルギー、ドイツ、フランスに囲まれた小国で、国土は神奈川県や佐賀県、沖縄県程度の広さ。人口は約60万人。国際通貨基金(IMF)によると、17年の1人当たりの名目GDP(国内総生産)は世界1位。農業や製造業より金融業に従事している割合が突出しているのが理由だとされる。