なでしこリーグ・新潟レディースの2019シーズン新体制会見が25日、新潟聖籠スポーツセンターで行われた。7年ぶりに指揮を執る奥山達之監督(42)と新人、移籍の新戦力7人が出席。元日本女子代表のMF川村優理(29)が7年ぶりに新潟でプレーする。米国・ノースカロライナカレッジに在籍していた昨年、左ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷し手術。今季はリハビリからのスタートになるが、早期復帰とチームへの貢献を誓った。

笑顔の奥には決意がみなぎっていた。「明るい性格なので、チームの雰囲気が良くなるようにしたい」。川村はムードメーカーを買って出た。09年から17年まで日本女子代表に名を連ねた。実績は十分。それでもけん引役ではなく、ムードづくりを自身に課した。

豊富な運動量と果敢なボール奪取で新潟、千葉、仙台で主力として活躍した。上山中1年から所属した新潟では北信越リーグ、なでしこ2部、なでしこ1部とチームの昇格に合わせて自身も成長した。その分、愛着がある。ただ、しばらくは我慢が続く。

17年に移籍したノースカロライナカレッジで右ひざ前十字靱帯を損傷。18年に復帰したが、7月に今度は左ひざ前十字靱帯を痛めた。8月23日に東京都内で手術し、現在は国立スポーツ科学センターでリハビリを続ける。「まだ分からないが、5、6月にはピッチに戻りたい」と願望を言葉にした。

もどかしさの裏に「新潟に恩返しをしたい」という思いがある。17年に1度新潟に復帰し選手登録したが、希望していた米国からのオファーが来たため、プレーせずにノースカロライナカレッジに移籍した。ケガのため、2年間で10試合の出場にとどまったが、「パワーとスピードのある中で戦ったことはいい経験」。肌で感じた世界レベル。それをチームに還元することを責任と感じている。

自分を育て、夢をかなえてくれた新潟のため。「タイトル獲得を」。まず完全復活に向けて歩みを進める。【斎藤慎一郎】

◆川村優理(かわむら・ゆうり)1989年(平元)5月17日生まれ、新潟市出身。上山中1年のときに新潟レディースに入団。開志学園、新潟医療福祉大でも新潟レディースでプレー。05年にU-17日本女子代表に選ばれた。09年は初の日本女子代表入りを果たす。13年は千葉、14年から16年は仙台に所属。17、18年は米国ノースカロライナカレッジでNSWL10試合に出場。169センチ、59キロ。ポジションはMF。背番号5。