J1浦和レッズの代表を1月31日限りで退く淵田敬三社長と、2月1日から代表に就任する立花洋一副社長が31日、にさいたま市内で取材に対応した。

14年2月から社長に就任した淵田氏はちょうど5年間を終えて交代となった。試合前にはホーム、アウェーにかかわらず入場待ちするサポーターのところに姿を見せて会話をするなど、コミュニケーションを重視してクラブの基盤作りに力を注ぎ「ある程度の土台はできたと思っている」と話した。立花氏について「大きな目標を掲げて引っ張っていくタイプ。土台を生かしていくいいリーダーになってもらえるのでは」と期待を寄せた。

立花氏は18年2月から副社長として、4月からは主に強化を担当してクラブに尽力。今季は日本代表クラスの選手も複数人獲得するなど積極的な補強にも成功した。社長就任に際し「クラブをあらゆる分野でアジアでナンバーワンに。なんとかクラブワールドカップを勝ちたい。それを実現する形で引っ張っていければ」と意気込みを語った。

浦和の前身である三菱重工でプレーしていた立花氏は「クラブへの情熱は絶対に誰にも負けない気持ちでいる」と思いを口にした。クラブの理念にある『強くて魅力あるチーム』という文言を挙げ、「強いとはタイトル獲得に尽きる。魅力とは入場するお客さんの数がすべてと考える」と説明。タイトル、特にリーグ制覇とスタジアムを満員にすることをまず目標に掲げた。

Jリーグから送られてくるデータによれば、スタジアム収容人数の8割以上を条件とする“満員”を記録した試合は昨季、わずか1試合だったという。約6万人を収容する埼玉スタジアムのサイズが大きいこともハードルを上げるが、08年の年間平均入場者数は約4万7000人。昨季は約3万5000人だった。「埼玉スタジアムで試合をすると決めたときから、いっぱいにすることは使命だと思っている」と立花氏。昨季の満員1回というデータが「すごく悔しかった」と口にした。

観客数が減少していることについて立花氏は「代表クラスの選手や強力な助っ人がいて、さらにプレーも性格も『浦和の選手はこうあるべき』というものがある。そこに期待してスタジアムにかけつけてくれる、ということだった気がする」と約10年前を振り返った。

「今季はそういう選手が31人いると思っている。最後まで走りきって、1試合でも5試合でも、満員にできれば。わくわくするようなスタジアムの雰囲気を再現させたい」

スタジアムまでのアクセスを改善するなどさまざまなアイデアを持って、入場者数アップを目指す。