J1ベガルタ仙台は1月31日、宮崎・延岡市での2次キャンプをスタートさせた。より実践的な練習を行い、戦術面での充実を図る過程にあって、新加入DFシマオ・マテ(30=アルアハリ)が、驚異のスピードでチーム戦術を理解し始めている。練習後、マテは渡辺晋監督(45)に呼び止められ約10分間、話し込み戦術面での確認を行った。2月2日の大分との練習試合でその成果を試す。また、昨年の延岡キャンプをリハビリに費やした仙台DF蜂須賀孝治(28)が、順調な仕上がりをアピールした。

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パナシナイコス(ギリシャ)、レバンテ(スペイン)、アルアハリと世界を渡り歩いてきた男の適応能力は、半端なかった。面談を終えた渡辺監督は「長崎戦を終えて守備の部分で彼が課題と感じたことと、俺が一番、彼に伝えたかったことが一致していた。理解力が高かったので『インテリジェンス(知性派)だね』って伝えたほどでした。課題に対するアイデアも伝えたので、次の試合でトライしてくれると思います」と期待を寄せた。

シマオ・マテも「映像分析で露見された戦術面での改善点を指摘してもらいました。守備ラインのスライドの仕方やタイミング、プレスを掛けるときのマークの付き方、マンツーマンで守る場面などをいろいろ話し合って、だいぶ頭の中がクリアになりました」と手応えを口にした。

昨年8月にアル・アハリを退団後、フリーで活動していたためベスト体重から7キロオーバーでチームに合流したが、フィジカル面も急回復してきた。「沖縄キャンプでのフィジカルトレーニングが結構ハードだったのでだいぶ絞れてきた。ここからは試合の数が増えるので合間の調整に気をつけたい」と話した。

待望の家族がイタリアから来日することも大きなモチベーションとなっている。オフとなる3日には、ジュリアーナ夫人(27)と長女ビクトリアちゃん(4)が仙台入りし、物件選びを含め久々に親子3人水入らずの時間を過ごす予定だ。「久しぶりに会えるのでうれしい。奥さんは早く日本に来たがっていた。仙台でおいしい刺し身を食べて感動した話をしたらすごく興奮していたよ」。開幕まで23日、期待は高まるばかりだ。【下田雄一】