“V2バス”で3冠へGO! 昨季Jリーグ王者の川崎フロンターレは16日、富士ゼロックス・スーパー杯で天皇杯覇者の浦和レッズと対戦する。

Jリーグ2連覇を達成した川崎Fは、優勝で手にした配分金で新型クラブバスを購入。この日から本格稼働し、まずは今タイトル獲得と、J3連覇の「4冠」へ向かって走り始める。

夜行高速バスがベースとなっており、外装と内装は特注の1台だ。トイレ付きで、シートは3列と幅広く、座席数は28席。これに加えて補助席が6とゆったりしている。DF谷口は「これは快適ですね」と笑顔を見せた。

以前のバスは4列で、座席数は45席で補助席は10だった。Jリーグ2連覇で勝ち取った新型バスは、1人当たりの空間が広くなり、各席にコンセントがある、まさに至れり尽くせりの仕様となっている。

昨季の川崎Fは、富士ゼロックス・スーパー杯で天皇杯王者のセレッソ大阪に敗れ、チームはそこから公式戦3連敗とつまずいた。リーグでは連覇したが「勝てば優勝」の一発勝負で手にしたタイトルはまだない。

鬼木達監督は今季はスタートダッシュすべく、キャンプから2部練習を取り入れ、ハードなトレーニングを積み上げてきた。「シーズン頭に合わせていくために、人の組み合わせの回数も増やしたかったので練習も増えた」と明かし、浦和レッズとの一戦に「決勝戦のつもりで戦おうと。一発勝負を勝ちきるためのものにしたい」と複数タイトルへ目を向けた。

今季は187センチのFWレアンドロ・ダミアンが加入し、高さの武器も加わった。MF中村は「攻守にまだ課題はある」と前置きした上で「カップ戦でセットプレーで得点して流れを引き寄せるのは大きい」と期待を口にする。プロ17年目を迎えるベテランは「決勝戦と一緒。そういう中で勝ちきる強さは必要になるし、それを克服しないとタイトルは取れない」。チームの目標は「4冠」。真の常勝軍団へ、川崎Fが新型バスとともに出発した。【岩田千代巳】

◆J1の優勝賞金 優勝チームの賞金は3億円だが、動画配信のDAZNと結んだ10年2100億円超の巨額放送権料を原資に、17年からJ1上位(1~4位)クラブに支給されるJリーグ理念強化配分金が新設された。優勝すると翌年から3年に分け計15億5000万円が手に入る。支給には審査があり、使途はJの理念に沿って強化や普及、若手育成、施設整備、地域交流やスポーツ文化振興に限られる。17年から連覇した川崎Fは、昨年に引き続き賞金、配分金などで総額22億円を得ており、バスのほかクラブハウスの食堂新設、選手の出来高などに充てる。