リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)日本代表監督、ワールドカップ(W杯)ロシア大会日本代表コーチを歴任した手倉森誠新監督(50)のV・ファーレン長崎が、試合終了間際のゴールで横浜FCに競り勝った。

0-0で迎えた後半45分に、ドラマがクライマックスを迎えた。右FKのこぼれ球を、途中出場のFW長谷川悠が左足ボレーで豪快に突き刺した。1年でのJ1復帰に向けて、1万1924人の前で劇的勝利。手倉森監督は、13年のベガルタ仙台以来6年ぶりのJリーグ復帰戦を制し、チームを白星発進に導いた。試合終了の笛が鳴ると、右拳を握って喜んだ。

前半は手堅い内容の0-0で折り返し、後半にゲームが動き始めた。11分、左CKに長崎の韓国人FWイ・サンホが頭で合わせる。しかし、クロスバーに当たって枠上に外れ、ゴールならなかった。サイドラインで見守っていた手倉森監督も、思わず頭を抱えて悔しがった。

後半17分には、ベンチコートを脱ぎ去って気合十分の手倉森監督が初の交代カードを切る。MF沢田に代えて、今月のハワイ合宿で活躍したMF大竹を投入。その大竹が1分後、いきなり右足で強烈なシュートを放った。ところがこれもクロスバーを直撃。長崎に好機が続きながら点が入らない展開が続いたが、最後に長谷川が決めた。

横浜FCは「19人目」として遠征に同行しているFW三浦知良がベンチ外に。51歳11カ月29日のJリーグ最年長出場記録はならなかった。MFレアンドロ・ドミンゲス、FWイバを中心に少しずつ長崎ゴール前に迫ったが、決定機は遠かった。後半39分に、途中出場のFW戸島が打った左足シュートも、ゴール右に外れた。終了間際には、長崎の長谷川とボールのないところで押し倒した前長崎のDF田代が一発退場。後味の悪い開幕戦となった。