J2アルビレックス新潟はあす9日の第3節、柏レイソルとデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。今季ホーム開幕戦を前に8日は聖籠町のクラブハウスで調整した。

今季J3鳥取から移籍のFWレオナルド(21)が新潟での初得点を狙っている。第1節京都戦、第2節千葉戦と不発に終わったが、チャンスでシュートに持ち込む形はできている。あとはゴールマウスに収めるだけ。サポーターに名刺代わりの1発を見せ、チームを連勝に導く。

準備は整った。練習終了から約1時間30分後、レオナルドはさっぱりとした表情でクラブハウスのロビーに現れた。練習後のロッカールームで散髪が得意なMFサムエル・サントス(28)に髪を整えてもらった。練習前は、やや角張っていた頭がすっきりと丸みを帯びて仕上がった。

「サムエルには週に1回くらい切ってもらっている。今日はちょうどその日」。ホーム開幕前日。気を引き締め直すタイミングでもある。「髪も切ったし、いい形で試合に臨みたい」と笑う。

この日、全体練習後の自主トレで、中央からシュートを決めるとバンザイをして締めた。好感触を得た。「素晴らしいスタジアムで試合ができるのがうれしい」。7日の非公開練習、初めてデンカビッグスワンスタジアムのピッチに入った。芝の感触の良さが印象的だった。「ゴールを決める」。シンプルで重要な仕事を自分に課した。

片渕浩一郎監督(43)は言う。「レオには告げた。『得点しろ』と」。開幕から2試合で無得点。放ったシュートは合計5本。ほとんどがビッグチャンスだった。「周囲のお膳立てはできている。決めるのがレオの役割」と、指揮官は厳しく奮起を促した。それも「まだまだ伸びしろがある」と期待するからこそ。

レオナルドもそれは自覚している。柏戦に向けた今週の練習では落ち着いてシュートを打つことと、ゴール前で正しい選択をすることを意識した。昨季は鳥取で24得点。J3の得点王に輝いた。その実力を証明するには結果を残すしかない。

柏戦はカーシア夫人(30)と長男のマルセロ君(6カ月)ら家族が観戦に訪れる。「(ホーム用の)オレンジのユニホームを着てプレーできることが楽しみ」。チーム、家族、そしてサポーターの視線が集まる中、気持ちの高まりをゴールと勝利に結び付ける。【斎藤慎一郎】