川崎フロンターレと横浜マリノスは2-2の引き分けに終わった。川崎FはMF大島僚太(26)が先発発表されていたが、ウオーミングアップ中に左太ももに違和感を覚え、急きょMF田中碧(20)に交代した。田中は前半4分、高い位置でボールを奪うとFWレアンドロ・ダミアン(29)にスルーパスを送り先制点をアシスト。以降、攻守で奮闘したが、ロスタイムのラスト1プレーで、横浜のコーナーキックの場面で田中がマークしていた相手に頭で決められ「自分の責任」と険しい表情を浮かべ、ほろ苦い今季初先発となった。

田中が先発を告げられたのは円陣を終えロッカーを出たときだった。緊急登板も「準備はしていた。できることをやればいいと思っていた」。昨季はデビュー戦となる札幌戦で得点を決め、初先発した東京戦ではアシストし頭角を現し始めていた。その経験を生かし、開始直後に先制点をアシストした。「縦に速く展開して点が取れたのはよかった。前回出たときより、落ち着きも増してやれることも増えてきた」。手ごたえを口にする一方で「まだまだやれることがたくさんある。もっと違いをつくり出さないといけない」と課題も掲げた。

鬼木監督は田中に「トレーニングから安定して力を出している。常にボールも奪えるし配球もできる。自信をもって送り出した。良かったと思います」と合格点を与えた。中2日でACL・シドニー戦、週末にはホームでガンバ大阪と対戦が続く。田中は「監督の期待に応えられなかった自分にふがいなさを感じる。個人としてはしっかりやられた分、取り返さないといけない。そこに力を注ぎたい」とリベンジを誓った。