アルビレックス新潟はブラジル人2選手のゴールで横浜FCに2-1で競り勝ち、アウェー連勝で勝ち点を7とした。前半11分にペナルティーエリア内で倒されたFWレオナルド(21)が自らPKを決めて先制。1-1の同点に追いつかれて迎えた後半44分にはFKのこぼれ球をMFカウエ(29)が左足で押し込み、勝ち越した。新潟は次節アビスパ福岡戦(23日)で今季ホーム初勝利と連勝を狙う。

ベンチコートに身を包んでいたレオナルドが、ベンチからピッチに飛び出して歓喜を爆発させた。1-1の同点で迎えた後半44分だった。MF加藤大(27)がFW矢野貴章(34)を狙ったFKは、相手に2度当たってカウエの目の前にこぼれてきた。カウエが左足で押し込んだシュートが試合を決めた。後半14分にはピッチを退いていたレオナルドは「うれしかった!」と自分の得点以上に勝利を喜んだ。

先制点はレオナルドがもたらした。前半11分。ペナルティーエリア内でGK南雄太(39)のファウルで倒されてPKを獲得。ロングボールに反応してDFの裏に抜けるスピードを披露し、右サイドで南と1対1。ドリブルで抜く瞬間に押されてPKをもらった。「このユニホームで初ゴール。みんなのおかげ」。小刻みなステップを踏み、GKの動きを読みながらの技ありシュート。自ら奪ったPKをゴール左隅に決めた。新潟移籍初ゴール。J3ガイナーレ鳥取に在籍していた昨季は24得点してJ3得点王に輝いた男は「1点目を取ったことで、今後は自然にゴールが出てくると思う」とゴール量産を宣言した。

J2初ゴールに気を良くしたレオナルドはカウエの決勝ゴールの裏話を明かした。「あのゴールは彼女にささげるゴールだったんじゃないかな」とカウエをからかった。2月25日に恋人が来日し、ゲームをテレビ観戦していたという。「もうすぐブラジルに帰るので『帰る前にゴールを見せてよ』と言われていた」とカウエもうれしそうに振り返る。本来は守備を担うボランチは続けてこう話した。「目標(J1昇格)を達成するためには、これから勝ち続けなければならない」。今季初ゴールの余韻に浸ることなくすぐに表情を引き締めていた。【涌井幹雄】