5位の浦和レッズが、17位のジュビロ磐田に敗れて令和初黒星を喫した。

改元後、初のスコアレスドローに終わるかに見えた後半ロスタイム3分、浦和MF青木拓矢(29)がバックパスをミス。キックの加減が合わず短くなって磐田FWジェルソン・ロドリゲス(23)に渡ってしまい、最後の最後に右足でスコアを動かされた。

ゴールデンウイーク中盤で家族連れが多く、小中校生を550円(GoGo)の特別料金で集めたこともあり、5万3361人の大観衆が詰めかけた一戦。14年以来、5年ぶりに2試合連続で5万人超の集客に成功していたが、4連勝と4試合連続の完封は達成できなかった。

青木にとっては、J1通算250試合出場の記念が暗転した。土壇場に、自らが最も信じられないだろうミスが出た。試合後、普段は必ず立ち止まる取材エリアで「今日はやめましょう」。それだけ言い残してスタジアムを後にしたことが悔しさを物語っていた。

それでも、あの場面はサイドでプレスをかけられた上に、前線にパスの出しどころがなかったことから、チームは青木だけのせいにしていない。ホームで勝たなければいけない重圧もあり「勝つために前掛かりになっていた」(DF鈴木)という側面もある。その中でGK西川が「ミスは付きもの」と青木をかばえば、オリベイラ監督も「青木も人間。バックパスを出さざるを得なかったし、彼への信頼は全く揺るがない。次も頭から使う」と力を込めた。

アウェーで清水エスパルスを下した前節、平成最後のゴールを決めたFW興梠もチーム最多3本のシュートが空砲に終わり「後半は走り負けした」と反省。点が取れなかったことを敗因に挙げた。

多くのファン、サポーターの前で無得点にミスでの失点。正直「格好悪い」結末となり、令和初勝利を祝うことはできなかったが、すぐ次の試合はやってくる。中3日で迎えるACL1次リーグ第5戦ブリラム戦で、タイへ飛ばなければならない。

後半44分のチャンスで興梠にラストパスを出したDF山中は「あそこで決めていれば終わっていた。最後の質が足りなかったけど、すぐ次がある。しっかり準備したい」と懸命に切り替えた。【木下淳】