ベガルタ仙台は21日、仙台市泉サッカー場で今日22日のルヴァン杯アウェー柏レイソル戦へ向け、最終調整を行った。ここまで3勝2分けで1次リーグB組首位通過が決定している。消化試合の意味合いも強いが、対戦する柏の下部組織出身であるGK川浪吾郎(28)に、今季公式戦初先発出場の機会がめぐってきた。トップチームではピッチに立てなかった悔しさを完封勝利で晴らし、無敗で締める覚悟だ。

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今季初舞台は、突然めぐってきた。8日のルヴァン杯東京戦でGK関が相手選手と接触し負傷交代。後半16分から途中出場した。チームのGKでは3番手の立ち位置だが、身長192センチの大きな体を生かしリーグ戦首位を走る強力攻撃陣を封じ込めた。勝利こそならなかったが、スコアレスドローで試合を決着させた。川浪は「勝ち点1で首位が決まる状況で最低限のミッションは達成できた」と振り返る。

移籍直後の昨季はリーグ戦不出場も、同杯は5試合に出場しプレーオフステージ進出に貢献した。特に3月の横浜戦では、前後半でシュート17本を浴びながらも完封。後半ロスタイムには1対1の相手シュートを2本も止める、名刺代わりの神セーブ連発で、サポーターに強烈な印象を与えた。

中学1年時から柏の下部組織でプレーし、10年にトップチームに昇格。年代別代表に選出されたが、柏では公式戦で1度もピッチに立つことはなかった。それだけに、古巣との一戦を「自分たちは首位通過、相手は敗退が決まっている中でやる難しい試合。チームの勝利が大前提だが、選手1人1人が持ち味を出したい」と、アピールを誓う。

前回の東京戦で勝ち点1を持ち帰った良い流れが、リーグ広島戦(12日)の劇的勝利につながった。リーグ戦は現在16位で、アウェーでは開幕6連敗中と光が見えない状況だ。25日には勝ち点1差で最下位の清水との一戦(アイスタ=静岡)が控えている。第3の男が、再び神セーブで勝利に導けば、チームは間違いなく勢いに乗る。【山田愛斗】