浦和レッズは28日、オズワルド・オリベイラ監督(68)との契約を解除し、後任に前ヘッドコーチの大槻毅氏(46)が就くと発表した。ACLは16強に進んだもののリーグ戦は10年ぶりの4連敗中で現在11位。事実上の解任で、オリベイラ監督の意向を受けて3月に現場から外されていた大槻氏が3カ月弱で復帰した。昨年4月のような暫定昇格ではなく正式に監督となり、6月1日のアウェー川崎フロンターレ戦(等々力)から指揮を執る。

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鹿島アントラーズ時代に3連覇し「5連敗した年でも優勝した」と豪語していたオリベイラ監督を、4連敗の段階で“解任”した。メンバー固定癖が強く、連戦させて走り負けた広島戦後の会見では「中4日で回復できると見込んだが、消耗の度合いを測れなかった」。中村GMは即日解任を否定したが、同監督がフィジカルコーチ出身ながら生命線の体調管理に失敗した事実も重く受け止めた。これまでも、虫垂炎から復帰したばかりの選手を強行先発させるなど柔軟性がなく、競争原理が働いていなかった。

後任には、1度は外した男に頭を下げた。大槻氏は今年3月8日に突如、現場からフロントへ。2日前のACLブリラム戦後、3-0の今季初勝利に気を大きくしたオリベイラ監督がチームから外すようクラブに迫ったという。選手が大槻氏に相談する姿に危機感を覚えたことが理由だった。同日夜、大槻氏の自宅へクラブ幹部が向かい、引き留めるために立ち上げた「海外クラブとのネットワーク構築推進プロジェクト」の責任者に。実際に海外にも飛んだものの、帰国後、なりふり構わずに要請。わずか3カ月で戻ってもらった。【浦和担当=木下淳】