現在J2リーグ2位のモンテディオ山形は12日、山形県総合運動公園で練習を行った。

15日にはホームで水戸ホーリーホックとの首位攻防戦を控えている。注目の対決とあって、練習場には報道陣約20人、サポーター約30人が詰め掛け、熱気にあふれた。相手はリーグ最少8失点と堅守を誇るが、その壁を山形FW陣がこじ開け、再び首位に返り咲いて見せる。

がっぷり四つ、互角の勝負に勝ってこそ栄光に近づく。山形、水戸ともに勝ち点33で並ぶが、得失点差1で山形が追いかける。リーグ最少失点8の水戸に対し、山形は3差の11失点でリーグ2位の安定感。得点は、わずか2差で山形が上回っており、ほとんど実力差がない。ガチガチのせめぎ合いは必至なだけに、先制点は絶対に欲しいところ。後半に追いつかれ2-2のドローに終わった前節8日の甲府戦で、3試合ぶりに先発したFW阪野豊史(29)は全2ゴールを挙げ上り調子。セットプレーのこぼれ球をダイレクトで打った1点目を「あまり考えず、本能だった」と目覚めた様子。2点目のPKは「コースを読まれたが気持ちで蹴った」と、根性でこじ開けた。勢いに乗る阪野には2戦連発の期待がかかる。水戸の印象を「崩すのが大変。スペースへ走り、陣形を崩しチャンスを作りたい」とゴールへの道筋を思い描く。

他のアタッカーも黙っていない。FW坂元は「2列目から裏に抜ける動きにチャレンジ。遠めからシュートを打てていないので、積極的にミドルを狙いたい」。FW大槻は「相手が首位でも気負うことはない。いい準備をして得点、アシストと目に見える結果を出したい」と意欲を見せる。練習ではミニゲームに多くの時間を割き、攻撃陣は前線から積極的にプレスをかけ、激しくぶつかり合った。守備陣も細かいパスをつなぎ、大きくサイドチェンジして後ろからの組み立てを確認。より攻撃的な姿勢が、グラウンドに色濃くにじんでいた。 勝てば首位交代の天王山。自軍が勝ち点3を得て、敵軍に3を与えない「6ポイントマッチ」の意味を持つ直接対決。数少ないチャンスをものにして、ライバルに差をつける。 【山田愛斗】