筑波大が法大を下し、準決勝に駒を進めた。前後半を終えて2-2。延長で追加点を奪えず、もつれ込んだPK戦も12-11という激闘だった。

筑波大はトゥーロン国際大会に出場中のU-22日本代表MF三笘薫(4年)を、法大は南米選手権(コパ・アメリカ)に出場する日本代表FW上田綺世(3年)と、両エースを欠く中での一戦だったが、両チームの意地がぶつかり合った。

先制したのは法大だった。前半37分、MF紺野和也(4年)のパスをゴール前へ走り込んだFW松沢彰(4年)がワンタッチで流し込んだ。

1点を追う筑波大は後半11分、DF山原怜音(2年)が左サイドからゴール前へ球足の速いクロスボールを送ると、これがオウンゴールを誘い、1-1の同点とした。

法大も攻勢をかける。途中出場したFW佐藤大樹(2年)がゴール前左へとドリブルで持ち込み、左足を強振。対角のゴールネットへ突き刺さるビューティブルゴールとなり、2-1と勝ち越した。

すると1分後、筑波大は右サイドを破ったDF山原のグラウンダーのパスをゴール前に入ったFW森海渡(1年)が右足で押し込み、再び同点とした。

終盤は互いに相手ゴールへ迫るオープンな展開となったが、両チームとも体を張ったプレーで得点を許さない。試合は2-2のまま延長戦にもつれ込んだ。

延長戦を前に筑波大はDF森侑里(1年)が主審へ異議を唱えたとし、警告2枚となり退場。10人となった筑波大に対し、法大は波状攻撃を仕掛けた。右MF紺野のドリブル突破などでゴールに迫ったが、最後の決め手を欠き、勝ち越し点を奪えなかった。

結局、勝負はPK戦へ突入した。退場者が出たことで10人勝負。後攻の法大は2人目のMF竹本大輝(3年)が失敗したが、GK中野小次郎(3年)が筑波大5人目のMF知久航介(3年)のシュートをセーブ。そして5人目のDF加藤威吹樹(4年)が冷静に決め、勝負は6人目以降のサドンデスへ進んだ。

ここでも両チームとも正確にゴールを決めつづけ、10人目の両チームのGKも成功。2巡目へと進んだ。そして迎えた13人目、法大DF高木友也(3年)の左足シュートはゴールバーを越えた。PK戦は12-11で決着した。ピッチに横たわる高木をしり目に、筑波大の選手たちは歓喜の声を挙げ、抱き合った。

4強入りを決め、夏の総理大臣杯全日本トーナメント(8月29日~9月7日、大阪・ヤンマースタジアム長居ほか)への出場権(7枠)を決めた筑波大の小井土正亮監督は「2度追いついて、精神的タフさが求められる試合だった。この試合にかける気持ちが感じられた。三笘がいないのは大きい、ケガでベストメンバーでない中、1年生がのびのびと気持ちを出してくれた。この試合だけで成長したと思う。今日のメンバーだけでなく、(今大会の)3連戦をチームとして勝てた」と話し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

この日は明大(2-0中大)、駒大(1-0順大)、立正大(3-2拓大)の3チームも準決勝へ勝ち進み、全国切符を手にした。

続く準決勝、順位決定戦(5~7位)は7月20、21日にAGFフィールドで、3位決定戦と決勝は27日に東京・味の素フィールド西が丘で行われる。