J2のFC琉球DF徳元悠平(23)が、ロシア1部アルセナル・トゥーラに移籍する可能性が28日、浮上した。

アルセナル・トゥーラは13-14シーズンに1部に昇格し、昨季リーグ6位と健闘した勢いのあるクラブ。関係者によると、同クラブのスカウトが、左サイドバックの逸材を探す中で、運動量と攻撃力のある徳元が目に留まり、既に水面下で獲得調査を開始しリストアップ。今後、正式オファーに発展する可能性があるという。

徳元は沖縄出身のプロ2年目。那覇西高、城西国際大を経て当時J3の琉球に加入した。正確なクロスと、果敢に攻め上がる攻撃性を発揮し、開幕から先発をつかむと、第2節の北九州戦で初得点を決めるなど、主力として活躍。J3での優勝とJ2昇格に貢献した。今季も19試合に出場し先発に定着している。世代別を含め日本代表、J1での経験がないにもかかわらず、アルセナル・トゥーラは、J2でプレーするレフティーの将来性を高く評価しリストアップした。

国内でも無名の選手が、欧州のスカウトの目に留まるのは、デジタルの発達が背景にある。ここ数年は、各国のリーグ、育成年代の試合映像とデータを集めた会員制ツール「Wyscout」を通し、世界各国のスカウトが選手を発掘するシステムが広がっている。日本ではJ1、J2の試合が網羅されており、無名でもスカウトの目に留まる環境が整っているという。アルセナル・トゥーラが徳元に正式オファーを出せば、J1を経験せずに一気に欧州1部へと羽ばたくシンデレラボーイの誕生となる。