J2アルビレックス新潟は29日、クラブハウス隣接のピッチでアウェーFC町田ゼルビア戦(31日)に備えて練習した。

相手の戦術を想定して、ロングボールを受けてからの攻撃の組み立てをチェックした。ホームFC琉球戦から中3日のゲーム。ボランチのMF戸嶋祥郎(23)は消耗を強いられる夏の連戦で持ち前の運動量をフル稼働させる決意だった。

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芝生の上に汗を落とす量の多さはMF戸嶋が、たぶんチームでトップクラス。豊富な運動量を駆使した献身的な走りが持ち味だ。「ボランチとして舵(かじ)を取ったり、ボールの回収を求められている」。要求されている仕事をやり通すため走る。中3日の強行日程も度外視して走る。「ボールに寄せ続けたい。球際でファイトしたい」と話した。

アウェー町田戦を翌々日に控えた29日の練習は、ロングボールを多用する相手の戦術を想定した練習だった。DFラインがはね返してからの攻撃の組み立てを確認しながら繰り返した。「自分の上空を(ボールが)行ったり、来たりする展開」とゲームをイメージする戸嶋は、ボールに触れていなくても集中を切らさない。「チャンスを逃さないために、準備をしていたい」と言う。ボールを持ったら、スペースに有効なパスを供給するつもりだ。

練習中に、吉永一明監督(51)からアドバイスをもらった。「スピードアップしたままプレーするより、1度落として顔を上げ、ゆとりを持ってプレーした方がいい、と言われた」。戸嶋も自覚していたことで、イメージするのは横浜FCのMFレアンドロ・ドミンゲス(35)の視野の広いプレー。「顔を上げてボールを出せる状況は常に作っておきたい」。今季開幕時はサイドハーフ、途中でサイドバックを務め、現在はボランチだ。「どの位置でもスーパーというか、必要とされる選手になりたい」。町田戦で「スーパー」の片りんを見せる。【涌井幹雄】