J1ベガルタ仙台は2年連続で主力を失う夏になった。

昨年はFW西村拓真(22=現ロシア1部CSKAモスクワ)に続き、今年は日本代表GKシュミット・ダニエル(27)がベルギー1部シントトロイデンに移籍した。それでも、国内の移籍が締め切られる今日16日までに、新戦力3人を獲得した。GKシュミットに代わる守護神としてポーランド人ヤクブ・スウォビィク(27)を獲得。また攻撃力アップへブラジル人ストライカーのFWジオゴ・アコスタ(29)と、札幌からボランチMF中原彰吾(25)が加入した。浮上の起爆剤として、期待は大きい。

スウォビィクは的確なポジショニングとコーチングで早くもチームに欠かせない存在になった。「Jリーグはとてもレベルが高く、いい選手が多い。そんなリーグでプレーできてうれしい。素晴らしいGKコーチがいるので日々、成長を実感している」。シュミットが去った1週間後からピッチに立ち、これまでの3試合でほぼ完璧なプレーを見せている。

アコスタは14日の天皇杯J3富山戦で2トップの一角として公式戦初先発。出場66分でシュート2本を打った。「スタメンはうれしいが、チームが勝ったのが一番。試合前に(ジャーメインと)近くでプレーしようと話し、いくつか良いプレーができた。次はゴールを決める」と頼もしい。ハイボールに強く、タフに戦えるのも強み。得点に絡むプレーで、勝利に導く。

中原は前節10日の首位東京戦で途中出場した。「何もできない悔しさがあった。受けるタイミングなど自分のプレーを知ってもらうこと、みんなのプレーをもっと知ることが必要」と振り返る。多彩なキックを持ち、視野の広さを生かしたパスに定評がある。定位置争い最激戦区の中盤で、存在感を示したい。

巻き返しは、新戦力トリオとの融合あってこそ。上位進出へ、地道に勝ち点を重ねていく。【山田愛斗】