パワハラ疑惑でJリーグから調査を受け、13日から活動を自粛している曹貴裁監督(50)不在で湘南ベルマーレは踏ん張り切れなかった。

ホームに鳥栖を迎え、0-2から1度は追い付いたが終了間際に失点して敗れた。代わって指揮を執った高橋コーチは「僕の初戦という経験のなさもある」と責任を負い、選手については「ビハインドを追いついたのは評価したい。意欲的に走ってくれて感謝している」とした。

試合前には7月に開催が決定していたクラブがサポーターと意見交換する「クラブカンファレンス」を開いた。真壁潔会長と水谷尚人社長が冒頭に約15分かけて一連の騒動について謝罪。急きょ取材もOKとし、想定よりも多い約600人のサポーターが詰めかけたため、会場も予定していた平塚総合体育館の会議室から武道場へと変更。サポーターから騒動についての質問も飛んだ。真壁会長は「目の前に突きつけられた現実を受け止め、この調査を受けてしっかり結論を出したい」と言い、最後に「ご心配かけますけど、信じてください」と締めると、大きな拍手を受けた。

この日、サポーターは選手のスタジアム到着時に曹監督の写真入りののぼりなどを掲げ、試合中にはゴール裏に「1つになって戦える湘南ベルマーレという愛するクラブを俺達はこれからもいつまでも信じている」などと書いた横断幕を出した。

主将のDF大野は「下を向いてもしょうがない。積み上げてきた湘南サッカーがあるので、それを信じて、前を向いてやっていく」と巻き返しを誓った。【松尾幸之介】