5年前の「下克上昇格」を知るJ2モンテディオ山形MF山田拓巳主将(29)が、自動昇格への扉を切り開く。

現在4位のチームは2位大宮アルディージャと勝ち点5差。「厳しい状況に変わりはないが可能性はゼロではない」。2位以内へ残り3戦で勝ち点9獲得を目指す。10日のホーム長崎戦に向けて7日は天童市内でトレーニングを行った。練習前ミーティングは異例の1時間超え。通常は30分程度だが、負けられない戦いへ結束を高めた。

左ウイングバックを務める山田は前節2日のアウェー水戸ホーリーホック戦は、累積警告で出場停止だった。攻守の要が不在の中、後半の9分間でサイド攻撃から3失点。痛恨の敗戦を喫した。「大事な一戦だったので勝ち点を取れず悔しい。チームとしてのダメージは大きいし、自分自身ピッチに立てなかったことも悔しい」。

今節対戦するV・ファーレン長崎は昇格の可能性が消滅。それでも得点ランク2位のFW呉屋など能力の高い選手がそろう難敵だ。山田は「一瞬の隙を与えたら失点に直結する。個人個人で負けないこと、チームとしても隙を見せないようにしたい。受け身にならず攻守で圧倒し、『まだ自分たちは諦めていない』と前半立ち上がりから気迫を見せていければ」と言葉に力を込める。

山形は14年、6位で昇格プレーオフ最後の枠に滑り込んだ。4位磐田にGK山岸範宏(41)のロスタイム弾で勝利し、続けて3位千葉も撃破。下克上昇格を果たした。当時も主力だった山田は「(5年前は)正直昇格に向けてのイメージはできてなくて、勝って勢いに乗れた。(今回も)100%チャレンジャー。変なプレッシャーを感じずに試合に臨める」。残り270分はチーム一丸でJ1への道を進む。【山田愛斗】