アルビレックス新潟は大宮アルディージャに1-1で引き分け、1つ順位を落とし、11位とした。後半17分、MF渡辺新太(24)の2試合連続のゴールで先制。右サイドから中央へ切り込むと、MFシルビーニョ(29)とのワンツーパスから利き足とは逆の左足を振り抜いた。その後、チームは大宮の攻撃を体を張った守備で防ぐが、後半43分、DF大武峻(26)のファウルで与えたPKを大宮FW大前に決められ、同点とされた。次節の最終節(24日)はホームに12位長崎を迎える。

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後半4分のアディショナルタイムで4度、大宮ゴールを脅かしたが勝ち点3につながる勝ち越しゴールが決められず、試合終了の笛を聞いた。「J1自動昇格を狙う相手でもネガティブな内容でなかった。それなのに勝ちきれない。これではJ1には上がれない」。2試合連続ゴールを決めた渡辺新は喜びの言葉ではなく、反省を口にした。

ゴールシーンは渡辺新が「練習から息が合っている」と話すMFシルビーニョとのパス交換が効いた。カットインしながら、相手PA内に構えるシルビーニョに出したパスが、もう1度渡辺新へと戻ると体制を崩しながらも左足を振り抜く。ボールはゴール左隅をとらえた。

リーグ終盤にきて、調子が上向いている要因を渡辺新は「守備と攻撃のバランスが取れてきたことが大きい」と分析する。サイドハーフでも強度の高い守備が求められるチーム戦術に「最初は葛藤もあった」と明かすが「試行錯誤しながらやってきたことが実を結んできた」と手応えを語る。

前半はシュート1本に終わった新潟だが、後半開始から主導権を奪っての先制。このまま逃げ切りたかったが、今季の悪癖とも言える終盤の詰めの甘さがこの試合でも出た。「自分も含めて経験が足りない。試合の進め方をチームとして成熟させていかなければならない」と渡辺新。3戦連発がかかる長崎戦は今季の最終戦。「ゴールもそうだけど何よりも勝利」。来季のためにも、ホームで勝ち切って90分を終わらせる。【山岸章利】