いわきFC(東北社会人リーグ1部・福島)が、JFL(日本フットボールリーグ)昇格の来季に、Jヴィレッジ(福島・楢葉町、広野町)でも主催試合を行うことを検討中だ。5日、都内でのJFL理事会で、来季昇格が正式承認された。会見した大倉智社長(50)は「来年は、いわきグリーンフィールドが本拠になるが、Jヴィレッジとの併用の形も話をさせていただいている」と明かした。

JFLは有料試合となるため、練習拠点でもある本拠いわきFCフィールドは観客席が手狭だ。今季J3福島が3試合を開催したJヴィレッジスタジアム(5010人収容)は復興のシンボル。常磐自動車道の広野ICから約6分で、4月にJヴィレッジ駅も開業し、立地は良好だ。先月の全国地域チャンピオンズリーグ決勝ラウンドでも無敗で優勝を決めた“聖地”。「震災後、Jヴィレッジで昇格を決められることは想像出来なかったと思う。自分たちが最初に望んでいた光景だった」。いわき市、福島県を元気にする最適の場所でもある。

同クラブは東日本大震災復興を目的の1つに、15年末から本格強化に着手した。県や、いわき市も、市内にJリーグ適合スタジアム新築計画を着々と進めている。「我々はJリーグ入りすることが最大の目的でなく、スポーツを通じて社会の価値を創造することが第1の目標。1戦1戦、90分間倒れない魂のフットボールを見せるだけだが、優勝が良いに越したことがない」と同社長。プロ契約選手も増やし、来季に向けての戦力補強も順調。「JFLの新しい風になれると思う」と全30試合を戦い抜く。【鎌田直秀】