首位横浜F・マリノスが2位東京との直接対決を3-0で勝利し、04年以来15年ぶり4度目のリーグ優勝を決めた。

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横浜を15年ぶりの優勝へ導いた要因は、チームを“家族”にした指揮官の改革にもある。就任直後の18年キャンプ初日。選手、スタッフの名前を全員覚えて練習場に向かった。「無礼になるし、仕事として当たり前」。フルネームを暗記して初練習に臨んだ。

団体行動を重んじ、遠征の食事の開始時間は全員同じ。「私が父親で、選手は子ども」とビュッフェ形式では選手、スタッフを優先。自分は一番最後に料理をとる。特別扱いもなし。守備の立て直しが急務となった昨夏には当時フィールドプレーヤートップのJ1連続出場記録を199試合としていたDF中沢を200試合の大台直前でメンバー外に。鬼の采配もふるった。

今季から登録できる外国人枠が無制限、1試合出場人数も3から5に拡大したことも味方にした。提携関係にあるイングランドの強豪マンチェスターCも所属するシティー・フットボール・グループ(CFG)の情報網も利用して外国人を積極補強。今季はブラジル人中心に外国人8人が所属した。出場枠5人の中、提携国枠のタイ代表DFティーラトン含む外国人6人を積極的に起用。夏にMF天野ら主力が海外移籍もFWマテウスらをすぐに補強するなど、フロントの動きの速さも光った。世代交代を進め、5カ国の多国籍軍団をまとめ、宣言通り、横浜をタイトルへと導いた。【松尾幸之介】