19年連続36度目出場の仙台大(東北第1代表)が、プロ内定者2人の活躍で桃山学院大(関西第4代表)を3-0で破り、初戦を突破した。来季JFL昇格のいわきFC(福島)加入が決まったFW岩渕弘人(4年=遠野)は1ゴール、特別強化指定選手として横浜FCをJ1昇格に導いたMF松尾佑介(4年=浦和ユース)も1アシストと存在感を示した。14日の2回戦では中大(関東第5代表)と対戦する。

FW岩渕が、いわきFC田村雄三監督が観戦する前で結果を出した。東北リーグ今季14戦22発で得点王となった実力を全国でも披露。2-0の後半20分、全3得点に絡んだMF嵯峨理久(3年=青森山田)のスルーパスに抜け出すと、相手GKとの1対1を冷静にゴール左隅に決めた。先にプロの世界に飛び込んだMF松尾のもとに、ガッツポーズをしながら飛び込んだ。

4年ぶり出場を勝ち取った今年5月の天皇杯1回戦。いわきFC相手に、2-2から途中出場で決勝弾。「同じシチュエーションで決められて良かった。あれがなければ今はない。内定も決まって自信を持ってやれている」。一般企業への就職活動を今春にすべて中止。サッカーでの“就職”だけに懸けた中でのゴール後、オファーも勝ち取った。

次はJリーグ内定者6人を擁する中大と対戦する。大会前の練習試合ではJ1川崎フロンターレと主力同士の1本目で2-0。今季JFL準優勝ソニー仙台には、2失点後に4点を奪って勝利するなど勢いも最高潮だ。岩渕は「毎年2回戦で負けていますが、(松尾と嵯峨の)両サイドが最強なので負ける気がしない。楽しみしかない」。

松尾も横浜FC下平隆宏監督が見守る前で躍動した。左サイドからの強烈な突破だけでなく、Jで学んだ食事の摂取法や調整法なども還元しており「チームも個人もレベルが上がっている。ベスト4、優勝を狙っている」と手応えは抜群。岩渕-松尾の強力ラインが全国の強豪を撃破する。【鎌田直秀】