浦和レッズの2020シーズン新強化体制発表会見が12日、さいたま市内のホテルで行われた。いずれも新設の、フットボール本部の戸苅淳本部長(51)土田尚史スポーツダイレクター(SD=52)西野努テクニカルダイレクター(TD=48)が、立花洋一社長(60)とともに出席した。

土田SDは、まず現状の課題を「選手評価のばらつき、17~19年にのべ5人の監督就任による変化が多かった」ことなどを挙げ「浦和の責任」というキーコンセプトを紹介。それをベースに「個の能力を最大限に発揮」「前向き・攻撃的・情熱的なプレー」「攻守に切れ目のない・相手を休ませないプレー」と掲げた。

「浦和は攻撃的でなければならない」とし「2点を取られても3点取る」サッカーを旗印に。「最終ラインまでコンパクトに保ち、ボールを奪い、ゴールまでできるだけ速く。運び、味方のスピードを生かして短時間でフィニッシュする」などとイメージを明かし「来年2020年は3カ年計画の変革元年。得失点差プラス2桁以上が目標。22年にリーグ優勝。23年以降は安定した優勝争い、連覇。30年のクラブW杯優勝」を明示した。

大槻毅監督(46)の続投についても「今季は途中からの難しいタイミングでの就任となり、目の前の勝利や勝ち点を狙う状況になってしまった。本来、大槻監督が目指すサッカーができなかった。大槻監督の攻撃的な魅力あるサッカーを実現するため、万全の準備をして挑みたい」と話した。

西野TDは「トップからアカデミー、スクールまで統一した選手評価システムを導入する。浦和レッズのフットボールとは何かを定義、具現化する。ドイツのSAP社などのシステムを活用する。ドイツ代表、ホッフェンハイム。リバプール、マンチェスター・シティーなどが導入していて、これからはITソリューションの活用が重要。TDとしてサイエンスを導入して結果を出せる体制を整える」と言った。

クラブスローガン「浦和のために最後まで走り、闘い、貫く」は継続することが決まった。その後、土田SDは「最後にファン・サポーターの皆さんにお伝えしたいことがあります」として「皆さまのご理解、ご協力があって達成できること。時間はかかるし、数々のハードルがあると思う。皆さんと素晴らしいチームを作りたいと思います。ぜひ一緒に戦ってください」と呼びかけた。