J2のFC町田ゼルビアのランコ・ポポビッチ新監督(52)が15日、町田市陸上競技場で就任会見を行った。当時JFLだった11年シーズン以来、来季9季ぶりの復帰。「家に帰ってきたような気持ち」と喜びを表した。

町田は今季J2で最終節まで残留争いに巻き込まれ、18位と低迷した。ポポビッチ監督はシーズン途中の9月に1度来日しており、J1の複数クラブとコンタクトを取っていたという。町田も訪れたが、この時点でクラブは相馬監督続投の方向で考えていたため、仕事の話は一切しなかったという。

しかし、相馬監督の今季限りでの退任が決定し、ポポビッチ監督にオファーを出すに至った。同氏はアジアや欧州の複数クラブから打診を受けていたが、さまざまな選択肢の中から町田復帰を決断。決め手は、クラブを離れた後もコンタクトを取り続けてくれていた首脳陣への信頼感と、「3年かけてJ1へ」という地に足の着いたビジョンだったという。「ゼルビアは歴史を見ても、監督を大事にするクラブ。世界中でも珍しい。今のJリーグを見ていると、数試合勝てなかっただけで解任される監督もいる」とポポビッチ監督。また「3年かけてJ1に上がるチームを作る、というのは現実的。成功に導くための一部になれると、強い気持ちで来た」とも話した。

9年前との大きな違いとして、町田は18年10月からサイバーエージェントが親会社となった。ポポビッチ監督は同社の藤田社長とまだ対面していないというが、「すぐに人件費を使うのではなく、クラブの成長とともに徐々に増やしていくという方針にも好感を抱いた」と好印象を明かした。

FC町田ゼルビアは、来期中に町田市内にクラブハウスを構える予定。また、ホームスタジアムである町田市陸上競技場のメインスタンド改修工事も予定しており、21年シーズンの開幕に間に合うよう工事が進められる。