今季からJ3に参入するFC今治が26日、今治市内でシーズン方針発表会を行った。サポーターに公開された第1部はイオンモール今治新都心で開催され、約700人のサポーターが詰めかけた。期待の大きさとサポーターの熱気を一身に受けた岡田武史オーナー(63)「(14年11月に株式の51%を取得した)当時こういう日が来るとはなかなか想像がつかなかった」と感慨深げに人だかりを見やった。

Jリーグでの戦いに臨むにあたり、足もとも着実に整えている。愛媛にゆかりのあるユニ・チャームがトップパートナーになることが決定。建設予定の新スタジアムのイメージイラストと、以下の3つの新スタジアムコンセプトも発表した。

<1>自然と一体感のあるスタジアム

<2>持続可能なスタジアム

<3>ホスピタリティあふれるスタジアム

岡田オーナーは技術の進化・発展が進む未来を見据えたうえで「人の心」を意識した複合型スタジアム作りを目指す。イメージは自然にあふれ、日々の営みの場所である「里山」だ。試合のない日にはロッカー室をスポーツクラブの更衣室にするなど、常に人が集う場所になるようなアイデアを無限にふくらませている。

岡田オーナー AI(人工知能)とIoT(インターネットと物がつながり相互に制御する仕組み)が発達した世の中に必ずなる。自分よりAIが自分のことを知っている。人間はAIの言うとおり生きるようになる。その時に『人間って何だ』という問いが必ず来ます。幸せは快適になっていくことだけじゃない。困難を乗り越えたり力を合わせて新しい絆が出来た時の喜びもある。その両方が必要。後者の幸せはスポーツ、文化が提供できる。そういうのを提供できる場にしよう。試合の時だけじゃない。365日、人が集まってくる場。どんどん緑豊かになって、心のよりどころになるような里山スタジアムを作りたいと言ってきた。

J2ライセンス取得に必要な1万席以上の新スタジアムは今年10月に着工予定で、完成は22年1月。目標の「J3参入1年目でのJ2昇格」を果たしても来季の使用は無理だが、矢野社長は「新スタジアムの計画があったうえで今のスタジアムの最低照度を約7倍にすれば特例が認められる可能性がある」との見解を示した。昇格が現実味を帯びてくれば、工事に着手する運び。岡田オーナーを中心としたFC今治は、地域や多くの人とともにJの頂を目指す挑戦を続けていく。