新型コロナウイルス感染拡大の影響により、J2アルビレックス新潟はオフ明けの14日から、選手を複数グループに分けて練習するなど対策を強化する。緊張感が高まる中、急性白血病との闘病を経験しているDF早川史哉(26)が現在、病気を抱えている人たちを気遣い、世間に感染防止の自覚を求めている。

早川は「入院中の人や基礎疾患を持っている人は本当に怖いと思う。持病がある人は感染すると命に関わる可能性がある。退院していても心配」と言う。16年4月に急性白血病を発症。3年以上の治療の末、昨年、試合に復帰した。今はサッカーが普通にできる状態を保っている。

ただ、入院時はもちろん、退院して体を動かし始めてからも、インフルエンザや子どもがかかりやすい伝染病などには敏感だったという。多数と接するイベントなどの後、少し体調が崩れると不安になるほどだった。急性白血病の治療で無菌室に入るなど命を守る環境に身を置いたこともある。死の恐怖も実感した。「周囲の人に感染させないために、自分が感染しない。ある意味責任を持ってほしいです」と言葉に力が入る。

県内でも新型コロナウイルスの感染者が増えている。チームは感染防止策を強化。14日からは選手を少人数のグループに分けて時間差で練習するなど選手同士が接触する機会を極力減らす。リーグ戦延期が続き、モチベーションの維持も難しいが「僕は練習したくてもできない時期を経験しているので」と気持ちの乱れはない。何より、終息を願う。「周りの誰かのことを考えて行動してもらいたいです」。メッセージに心を込めた。【斎藤慎一郎】