鹿島アントラーズは24日、定時株主総会で19年度の決算報告を行った。営業収入は、クラブ史上最高だった昨年比約マイナス5億の約68億円。純利益は約300万円の黒字となった。

新型コロナウイルスの影響でJリーグが中断しており、入場料収入を得られない状況。株主総会後にメディア向けウェブ会見を行った小泉文明社長(39)は「実態が見えず、見通しが難しい。このままいくと夏、秋にかけて資金繰りが厳しくなるチームが出てくると思うし、アントラーズも気を抜くと危ない状況」と説明した。

発表された19年度の決算報告では、入場料収入は約10億円だった。小泉社長はリーグ戦再開が決まらない現状に「入場料収入はかなり小さくなると思う。その他物販など含めて、おそらく10億円以上の単位で場合によっては(営業収入が)落ち込む可能性もあると思っている」と危機感を表した。「減るのをただ見ているわけにはいかない。物販ではeコマース(電子商取引)の強化を準備中。クラウドファンディングや投げ銭などのデジタル施策で収益化を図る、またお客様の感動値をいかにスタジアムと同じようにキープできるかなど、無観客試合であっても入場料収入が0にならないような仕組みを準備したい」と、親会社メルカリが得意とするデジタルに活路を見いだす構えだ。

そのメルカリからは「10億円規模の融資枠を得ている」(小泉社長)とも明かした。「政府が準備している支援策もある。場合によっては、親会社からのさらなる融資も検討の必要がある」と続け、厳しい現状を受け止めた。