今こそ新聞を読もう。北海道コンサドーレ札幌DF石川直樹(34)は、経済紙を自宅で購読するほど新聞好きだ。今はほとんどの情報がインターネットなどで収集できる時代。石川流の新聞の読み方、楽しさ、電子版にはない紙の魅力を語ってくれた。

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石川が新聞を脇に抱えクラブハウスから出てくる姿をよく見かける。自宅から持参した経済紙を、昼食時やケアの順番待ちの時間に読んでいる。さらにクラブが毎日用意している新聞各紙にも目を通す。チームきっての新聞好きだ。

父親の言葉がきっかけだった。「もうそろそろ世界情勢がお金の流れとどう関係しているかを知ってもいいんじゃないの?」。実家には経済紙など複数の新聞があったが、石川が手に取ることは少なかった。昨年のキャンプ中に意を決し電子版の購読を開始。「携帯だと何も頭に入ってこなくて。やっぱり紙だな」と、キャンプ後の3月から新聞の宅配購読に切り替えた。

情報のデジタル化が進んでいても、紙を好む。「見やすいし、目が疲れない。1面や2面で今はっきり何を言いたいのかを、わかりやすく大々的に載せてくれている」と魅力を語る。最初は朝刊を読むのに2~3時間費やしていた。知らない単語を調べながら、丁寧に読み進めていた。

今は「一応、1面は目を通そうと思っているけど、だんだん自分にとって必要なもの、必要じゃないものとかがわかってきた」と30~40分程度にまとめる。「自分の心に響きそうな誰かのコメントとか、ポジティブになれるようなものをピックアップする」。気になる記事があれば、写真を撮って保存する。

経済紙は株に挑戦しようと考え購読を始めた。株はまだやっていないが、知識は世界を広げた。「大企業が今、どんなことをやっているのか。ガソリンが安くなってるのはなぜか。世界的にどんな原因があるのかを知った。今まで漠然と生きていたけど、世の中はこういう風に動いてるって知れることは大事。いち社会人として」。

新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間はまだ多い。「おうち時間で新聞を」と呼びかける。2人の息子を持つ父親として「新聞に限らず活字を読んでもらいたい。活字の良さは伝えていきたい」。次男のお昼寝の時間が、石川が集中できる新聞タイムだ。【保坂果那】