Jリーグは6月27日のJ2再開とJ3開幕、7月4日のJ1再開を発表しました。

約4カ月ぶりに迎えるその時を前に、日刊スポーツでは歴代のJリーグの選手、監督、関係者から生まれた言葉をピックアップ。あの日、あのときの印象的なシーンを振り返ります。

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「試合のイメージですから、悪童でいいです(笑い)。イエローの数も、もう100ぐらいいったんじゃない? ほめられたもんではないけど、それだけ、出場停止があるということ。その中でこれだけ点を取ってるから、どう? と自信持って言える」。

J1通算最多得点記録の更新が間近に迫っていた16年の開幕前、当時川崎フロンターレ在籍のFW大久保嘉人は「悪童」のイメージについて問われると、こう言い切った。

16年3月5日、第2節湘南ベルマーレ戦でゴールを決め、FW中山雅史(アスルクラロ沼津)とFW佐藤寿人(当時サンフレッチェ広島)の持つJ1通算最多得点記録(157得点)に並んだ。以降も得点を積み重ね、J1通算185点。歴代2位の佐藤寿人(現千葉)の161得点に大きく差をつけた。ちなみに、警告(イエローカード)数はJ1で歴代1位の103枚。レッドカードは12枚で、13枚のストイコビッチ(当時名古屋)に続く2位。出場停止に加え、海外でプレーした期間を考慮すると、希代のストライカーであることを証明している。

国見高卒業と同時にセレッソ大阪に加入。C大阪時代から、先輩にも臆することなく「オレに出せ」とパスを要求した。30歳を超えて新人時代を振り返ったとき「今では考えられないよね(笑い)」としながらもこう続けた。「けどね、若いヤツはそれでいい。遠慮する必要はないし。人生かかってるから。それで恥ずかしくて自分が出せない選手は、そこまでの選手で。そういう選手がもっと出てきてほしいですね」。

38歳になった今季はJ2東京ヴェルディでプレーする。得点への貪欲な姿勢は変わらない。チームには将来性豊かな若手も多い。大久保は惜しみなく、後輩へアドバイスを送っている。ベテランの背中を見て若手が伸びれば、J1昇格も見えてくる。