新型コロナウイルスの影響で約4カ月の中断を経て再開されたJリーグで、この日のカードが観客を入れた初の有観客試合となる。

ファジアーノ岡山の本拠地Cスタの収容人数は約2万人。超厳戒態勢の中、最大4000人の動員を想定して前売り券を販売。指定席中心に完売になる席種もあったが、一部残席ありでこの日を迎えた。試合前は時折雨脚が強まったが、雨がやんだり、小雨に変わる時間帯もあった。

午後7時のキックオフを前に、約4時間前にはサポーターが会場前に集まり始めた。岡山の応援歴2年という三宅希奈さん(30)と佐藤美鈴さん(40=ともに岡山市在住、会社員)の2人は、喜びを隠せなかった。生観戦は2月23日のツエーゲン金沢との開幕戦以来という。

「4カ月待ち続け、ようやく試合が見られるのはうれしいです。観戦ルールにのっとり、選手を応援します」と三宅さん。佐藤さんは「前節(5日アウェーのジュビロ磐田戦)はリモートで応援して、携帯電話で応援メッセージも送っていました。今日は久しぶりの生観戦で幸せです」とうれしそうだ。

この試合はイスの中心から半径1メートルを離して観戦するなど、観客には細かいルールが設定されている。アルコールは販売禁止でソフトドリンクのみ。食事メニューは事前の完全予約制。売店に列ができるのを避ける工夫などをしている。

岡山のクラブ関係者は「我々はとにかく、安心、安全に試合運営することだけを心がけています」と話している。【横田和幸】