観客を入れての公式戦開催。アルビレックス新潟は松本山雅FCに1-0で勝利、今季ホーム初勝利をファンとともに喜んだ。

前半33分、右CKの折り返しをDF田上大地(27)が右足ジャンピングボレーで合わせ、先制。試合終盤、松本のロングキックからの猛攻を集中した守備でしのぎ、勝ち点3を挙げた。サポーターが戻ったスタジアムでイレブンが躍動した。

   ◇   ◇   ◇

田上が有観客試合で持ち前の攻撃力を発揮し、サポーターをわかせた。前半33分、MF島田譲(29)の右CKをDF舞行龍ジェームズ(31)が胸で折り返すと、田上が「カンフーキック」ばりの右足ジャンピングボレーでゴールにたたきこんだ。開幕から4試合連続の先制点。ゴール後はベンチへ一直線で向かい、控え選手にもみくちゃにされた。

田上は左サイドバックで先発出場。前半7分、両チーム通じて初めてのシュートを放って波に乗ると、同33分、身体能力の高さを生かした今季初ゴールだった。流通経大柏高3年で出場したインターハイ(11年)ではFWでプレーし、5得点で得点王と優秀選手を獲得した。日々の練習でも抜群の攻撃力を見せ、周囲を驚かせている。本業の守備でも安定した守備を見せ、3試合ぶりの無失点に貢献した。

この日スタジアムに駆けつけた3567人のサポーターからは選手のプレー1つ1つに温かい拍手が送られた。アルベルト監督は試合前日の10日、「特殊なルールではあるが、サポーターがいてくれることは心強い。いい試合を見せたい」と意気込んでいた。FWからDFの距離を常にコンパクトに保ち、試合終了まで集中力を持続した狙い通りの展開になった。新潟はこれで2勝1分け1敗で勝ち点7。先制しながら勝ちきれず我慢が続いていたサポーターに、ホームで最高の勝利をプレゼントした。【小林忠】

○…今季初先発のMF島田譲(29)が存在感を示した。ボランチでコンビを組んだMF秋山裕紀(19)とともに激しい守備と正確なパスで中盤を支配。得意の左足を生かしたセットプレーでも多くのチャンスを作り出し、先制点のきっかけを作った。

▽DF田上(ジャンピングボレーで決勝の今季初ゴール)「気づいたら頭の上にボールが上がっていたので相手より先にボールに触ろうと思い、足を振り抜いた。(試合に)使ってもらえる感謝を、ゴールという結果で出せて良かった。声援が背中を押してくれた」。

▽GK藤田(初完封)「すごくうれしい。2試合連続でふがいないプレーが続いていた。先輩たちのアドバイスをきっかけにこの試合に臨んだ。DFラインの背後のケアなどうまくできた」。