ガンバ大阪の背番号10、MF倉田秋(31)が久々のゴールで存在感を示した。

2-1とリードで迎えた後半28分、相手と競り合いながらループ気味に右足でシュートを放ち、ゴール右へとダメ押し点を挙げた。今季2点目は、2月23日の横浜Fマリノスとの開幕戦以来12試合ぶり。

「苦しい時間帯の中で、チャンスは1本くらいあると思っていた。決め切れたことで、自分たちのリズムに持っていけた。(自分には)ライバルがいっぱいるし(次戦は)ベンチ戻るかもしれないので、今日は今日で終わり」

喜びも一瞬だけで、チーム内の激しい競争に気持ちを切り替えた。今季はこの日で全13試合に出場となったが、先発は8月23日鹿島アントラーズ戦以来2試合ぶり、計6試合目と少ない。サガン鳥栖から加入のFW小野の先発が増えたことで、倉田は途中出場に甘んじることが多くなっていた。

「ここ数年、ずっと試合に(先発で)出ていたのに、今季は途中出場が増えていたので、リズムを作るために居残りでフィジカル練習をやっていた」と倉田。

宮本恒靖監督(43)は「(倉田が)試合に最初から出ないのは久しぶりの状況の中で、個人的にフィジカル練習をしていたし、練習からのパフォーマンスはしっかりしていた」と先発起用の理由を説明。その上で「いい時間帯で、テクニカルなシュートを決めてくれ、チームには大きかった」と称賛した。

G大阪は最近3試合で1分け2敗と失速していたが、これで8月8日横浜FC戦以来、4試合ぶりの勝利になった。複数得点も横浜FC戦以来で、チームの4得点は今季最多。

「複数得点を目指したい。ペナルティーエリア内でのプレーを増やしたい」と話していた指揮官の期待に、倉田らが応え、G大阪は8位から6位へと浮上した。優勝はもちろん、天皇杯の出場権が得られる2位以内へ、これからが本当の勝負になる。【横田和幸】