横浜FCの19歳MF安永玲央が、父からの金言「武器を磨け」を胸にさらなる飛躍を誓った。

安永は9月9日のFC東京戦に先発しJ1デビューを果たすと、続く13日の名古屋グランパス戦にも先発し、勝利に貢献。激しい球際とパスワークを武器に頭角を現している。25日、大分トリニータ戦(27日)を前にオンライン取材に応じ「守備の面でハードワークという部分は出せていると思う。自分の持っているものは出せているのかなと思います」と先発した2試合を振り返り、「リーグ戦では緊張なくやれている。チームで練習して、外から試合を見ている中でやれる自信があったのは大きかった」と手ごたえを口にした。

父は横浜F・マリノスなどで活躍した安永聡太郎氏(44)。5人きょうだいの2番目で、姉と3人の妹がいる。小学校3年のころ、父の影響でサッカーを始めた。幼いころは、父に試合の度にダメだしをされていたという。川崎フロンターレジュニアユースから、同ユース昇格がかなわず、セレクションを経て横浜FCユースへ。昨季、横浜FCでプロ生活をスタートさせた。

プロ1年目は順風満帆ではなかった。昨夏にJ3のカターレ富山へ期限付き移籍するも、2試合でわずか15分の出場にとどまった。横浜FCの斉藤光毅ら同世代がJリーグや海外で活躍している姿を目に「この差は何だろうか」と自問自答。今季、横浜FCに戻ると「将来的にもう一、二段階上に行くには活躍して結果を出さないと人と思っていた」と、退路を断ってキャンプから真剣にサッカーに向き合った。

父からは「武器を磨きなさい」と言われ続けてきた。練習から、激しい球際を心がけ、紅白戦で対戦する選手がイライラするほど。配球面でも名古屋戦で局面を打開するパスを出すなど、父の言葉通り磨きをかけている。

中盤の定位置争いは激烈で「自分が試合に出てますけど、俊(中村俊輔)さん、大(松井大輔)さんとすごい選手がいるので気を抜けないというのが一番。次はゴールやアシストを狙っていきたい」と目標を掲げた。【岩田千代巳】

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◆安永玲央 やすなが・れお。2000年(平12)11月19日、東京都生まれ。川崎Fジュニアユース、横浜FCユースから19年に横浜FC加入。J2通算2試合0得点、昨季期限付き移籍した富山でJ3通算2試合0得点。177センチ、72キロ

 

◆主な父子Jリーガー◆

▽FWハーフナー・マイク(33=J2甲府) 父のディド氏はGKとして名古屋などでプレー。初の親子Jリーガー。弟のニッキも名古屋でプレー。

▽MF水沼宏太(30=横浜) 父は元日本代表で横浜でプレーした貴史氏。

▽MF風間宏希(29)、宏矢(27) ともにJ2琉球所属。父は広島でプレーし川崎F、名古屋で監督を務めた八宏氏。

▽DF高木利弥(27=J2松本) 父は元日本代表FWで広島などでプレーし現大宮監督の琢也氏。

▽GK前川黛也(26=神戸) 父は元日本代表GKで広島、大分でプレーした和也氏。

▽DF広瀬陸斗(24=鹿島) 父は浦和でMF、DFとしてプレーした治氏。

▽FWドリアン・バブンスキー(24=J2町田) 父はG大阪でプレーしたボバン氏。兄ダビドも横浜などでプレー。