札幌大谷が延長戦の末、昨年王者の北海を3-2で下し、5年ぶりの優勝に王手をかけた。2-2の延長後半5分、DF川井駿(3年)が、左クロスのこぼれ球を左足で流し込み勝ち越した。サイドバックで先発し、延長後半からサイドハーフにポジションチェンジし、今大会初ゴール。「いいところにこぼれてきてくれた。合わせるだけだった」と振り返った。

兄健人さんは札幌大谷OBで、13年初優勝メンバー。試合前日には「自分らしく楽しんでこい」と激励を受け臨んだ一戦だった。ゴール後はスタンドの兄の元に向かい猛ダッシュ。健人さんは全国大会前に体調を崩しピッチに立てなかったこともあり、川井は「何とか優勝して、全国のピッチでプレーする姿を兄に見せたい」を意気込んだ。

中2まで強豪青森山田中所属も「なかなかトップチームに上がれなかった」と、中3から地元の千歳中でサッカーを続けてきた異色の経歴を持つ。技術はチーム屈指でサイドだけでなくFW、トップ下もこなし、キッカーも務める万能背番号9。「どこで出てもチームに貢献できるように」。決勝も、勝負どころでの1発を狙う。【永野高輔】