ホームの藤枝MYFCが劇的勝利でアスルクラロ沼津との「静岡ダービー」を制した。0-0で迎えた後半45分、ゴール前の混戦からFW森島康仁(33)が左足で押し込み、先制点。終了間際で決めたエースの11試合ぶりゴールが決勝点となり、連勝を飾った。アウェーの沼津は粘り強い守備を見せるも、耐えきれず。今季初の3連勝とはならなかった。

勝利への執念が届いた。藤枝は後半45分、ゴール前の浮き球にFW森島が反応。左足で放ったシュートは1度GKに阻止されるも、こぼれ球に再び体が反応した。「あんまり覚えていない」と無我夢中で放った左足のシュートがゴールラインを割る。ただ、手放しで喜べなかった。

ゴール直前のプレーで、副審がオフサイドを示す旗を揚げていた。森島は「僕はオフサイドではないと思って反応した」。ピッチ上では主審と副審が協議。約1分後にゴールが正式に認められると、両手を突き上げてガッツポーズした。

森島は「ずっと苦しかった。平常心を保つのも難しかった」。自身はゴールから遠ざかり、チームも一時は9戦勝ちなしと失速した。前節のアウェー、ロアッソ熊本戦で10試合ぶりに勝ち点3を獲得すると、中3日で臨んだこの日は劇的な勝利でライバルを撃破。石崎信弘監督(62)も「全員で勝ち取った勝利」と選手たちをたたえた。今季も残り6試合。J2自動昇格は厳しい状況だが、可能性がなくなったわけではない。森島は「残りの試合を全部勝ちたい」とキッパリ。奇跡の逆転昇格を信じてチームを引っ張っていく。【神谷亮磨】