昨年は30大会ぶりの全国8強入りを果たした仙台育英(宮城)は、11月の県予選決勝で聖和学園に2-1で逆転勝ちし、4年連続35度目の全国切符を手にした。前半開始2分に先制を許すも、FW佐藤遼(2年)が同8分、後半17分に得点し、宿敵を退けた。同予選5戦で23得点を挙げた攻撃力に、前線からプレスを仕掛ける守備も持ち味で、わずか1失点の堅守も光る。

守護神も先輩に負けない好セーブで、勝ち越しの危機を救った。1-1の後半9分、味方がPKを献上する大ピンチに、GK高橋拓輝(3年)が奮い立った。「声が出せない分、拍手で応援されていて、絶対に止めてやろうと。相手が助走を踏んできた時から読んでいた」と冷静にキッカーの動きを読み、右に跳んで防いだ。名門のゴールを19年までの3年間守り、全国舞台でもPKを止めた佐藤文太(明大1年)のように、ガッツある守備でチームを後方から支えた。

初戦は来年1月2日、初出場の宮崎日大と対戦する。埼玉出身の高橋は「どんな相手でも諦めずに、自分たちができることを見せつけたい」。準決勝からは地元の埼玉スタジアムで行われる。チームを3度目の4強に導き、憧れの先輩たちを超える。【相沢孔志】