経営難サガン鳥栖の竹原稔社長(59)は19日、今季最終戦を終え、社長退任を明かした。

大分に2-2ドローとなり、試合後、選手や金明輝監督(39)らに報告する前に報道陣の取材に応じ「今日社長として終わり、退任します」と明言した。

今後、Jリーグ理事会・実行委員会や株主総会・役員会を経て正式に決まるが、多くの株主や支援者らから退任を求められていたという。

退任理由について「次のフェーズに入るから。各ステークホルダー(株主など)の中から代わった方がいいというアドバイスを数多く受けましたので、鳥栖が一番良くなって行くため、それがいいのであればそういうことだろうと思いましたので退任します」と話した。

20年度決算は赤字約10億円の見通しだが、経営について「10年やってきて私自身悔いない。やりきった」。さらに、現在の経営状況にも触れ「今のキャッシュポジションは、来年やっていける、デフォルトしない状況を確立しています。運営は安全であると、Jリーグとしても認められている」と説明した。

後任は佐賀県サッカー協会の福岡淳二郎会長の予定で、竹原社長は「次のリーダーがかじをとってくれればベスト」と話した。

同社長は、11年5月に社長に就任し、強気な経営でクラブを強化した。だが、今季はコロナ禍の影響で20年度決算が約10億円の赤字の見通しで、約10億円の債務超過となる見込み。

元スペイン代表FWフェルナンドトーレス獲得など、人件費の圧迫で19年度決算は約20億の赤字でとなり、12年のJ1昇格以来、最大赤字だった18年度の約5億8100万円を大幅に更新していた。