川崎フロンターレが初の天皇杯王者に輝いた。ベンチスタートだったMF中村憲剛(40)は出番なくラストマッチを終えたが、鬼木監督は「もし延長になったときに、スタジアムの雰囲気を変えられるのは誰か? と考えていた。そこはケンゴだった」と、その意図を明かした。

川崎Fは前半から相手ゴールに迫り続け、後半10分にMF三笘のゴールでようやく先制した。終盤は押し込まれる展開が続き、特にラスト5分は何本も危ないシュートを許した。

指揮官は「あのまま勝ちきる、もしくは後半途中にケンゴを入れる選択も正直あったが、今日は延長まで考えていた」。中村には「使えなくて申し訳ない」と話したという。

中村本人は「オニさんから『出してあげたかった』と言われたけど、それは監督の判断だから。俺もベンチで戦っていて、俺でもそうするなと思った」と納得しており、「出られなかったのは残念だけどそれはそれだし、チームのために最後まで90分頭をフル回転させられたのはよかった。これはこれでいい筋書だったんだと思っています」とやりきった表情を浮かべた。