J2アルビレックス新潟に10年ぶりに復帰したDF千葉和彦(35)が、最終ラインで攻守のキーマンとなる。

磐田2次キャンプ中の18日、強風の中で行われた攻撃練習で千葉は、得意のロングフィードを走り込む選手の足元に次々と落とした。「長いボールは攻撃のオプションの1つ。(キックの)フィーリングはまだまだだが、開幕戦までに整えていきたい」。狭いエリアでの10対10では巧みな位置取りでボールを奪い取った。「自分の特徴をチームに還元したいし、コンディションは上がって来ている」と手応えを口にする。

プロ16年目。日生学園第二高(三重)卒業後、オランダへ留学し逆輸入型で05年に新潟に入団。その後はJ1広島、J1名古屋と渡り歩き、J1リーグ通算349試合に出場。13年には日本代表にも選出された。「(若手に)聞かれたときだけアドバイスができたら。今までの経験を自分から押しつけることはしない」と謙虚に話すが、持ち前の明るいキャラクターをピッチ内外で発揮し、新人や新加入選手をチームになじませている。「勝つには全員の団結が重要。コミュニケーションをどんどん取っていけたら」と笑顔を見せる。

ベテランDFには攻撃のきっかけを作るパスだけでなく、昨季55失点の守備再建も託される。「後半の立ち上がりや終了間際での失点を減らすこと。そこは全員が意識すれば改善できる。試合の中でうまくいかないことが起きても、臨機応変に対応しあえるように声を掛けていきたい」と決意を示した。【小林忠】