北海道コンサドーレ札幌MF宮沢裕樹(31)が主将として6年目のシーズンを最高の形でスタートする。25日、キャンプ地・熊本で軽めの調整を行い、27日の横浜FC戦(札幌ドーム)に向けて札幌入りした。昨季クラブ史上最長の在籍期間となったプロ14年目の生え抜きは、自身にとっては初、クラブにとっても01年以来20年ぶりのJ1開幕戦勝利を誓った。

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いくつになっても胸は躍る。08年から赤黒のユニホームをまとい続ける31歳の宮沢は開幕を3日後に控え、率直な心境を明かした。

宮沢 正直、子どものころはたくさん見られる環境ではなかったけど(開幕の)盛り上がりはサッカーを楽しみにしている人は必ずドキドキ、ワクワクする気持ちになる。やる側になりましたけど自分もドキドキした気持ちはありますし、見ている人たちの楽しみな気持ちもわかる。

明るい言葉が口をつくのはそれだけチームとしての成熟度を感じているから。「今できる準備は全てできた」。コロナ禍で外国人選手の合流は遅れ、左足の骨折などの影響でペトロビッチ監督(63)も23日に到着したばかり。それでも1月18日から1カ月超のキャンプでは復帰したMF小野ら復帰組も合わせて9人の新加入選手(FWガブリエルを除く)と積んできた厳しい練習には自信がある。

クラブ史上最長の在籍期間を更新中の宮沢に求められる役割は今年も大きい。J1に再昇格を果たした16年から担う主将の重責は6年目。その間もスタメンとして151試合に出場してきた。今季もポジションを奪いに来る若手には負けず、ミニゲームではボランチに加え、3バック中央にも入る。「チョイスは監督がすること」と前置きした上で「僕自身はコンスタントにしっかり自分のプレーを安定させることが試合に出る近道」と冷静に話した。

14年目を迎えるプロ人生でJ1での開幕戦は1年目の08年を除き5試合全てにフル出場も勝利は手にしていない。チームも01年以来開幕戦白星発進はできていない。ただ、今年は違う。9年ぶりのホームでの開幕戦だ。「目標はACL出場」と言い切る宮沢は「楽しみにしている人が札幌にいる。その人のためにしっかりとプレーしたい。今年は(J1開幕戦連敗)記録を破って勝ち点3を取る。ホームで勝って波に乗っていければ」。サポーターの応援を誰よりも知る背番号10は自信を込めて開幕戦勝利を宣言した。【浅水友輝】

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