アビスパ福岡が誇る“外国人部隊”がクラブ新記録をさらに更新する6連勝に導いた。5月22日のリーグ湘南ベルマーレ戦は外国人8人中新加入2人を含む5人が出て、逆転勝利を収めた。リーグ戦は16試合を終え20得点中半分が外国人選手によるもの。外国パワーの注入がチームのカンフル剤になっている。

決勝点を奪ったのは、今季ここまで外国人選手で唯一得点がなかった2年目のブラジル人DFドウグラス・グローリ(31)だった。同点で迎えた後半26分、左CKから今季新加入のブラジル人FWブルーノ・メンデス(26)が放ったヘディングシュートを相手GKが取りこぼし、そのボールを押し込んで逆転に成功。「外国人で唯一点を取っておらず(周囲から)早く点を取ってくれと要求されていた」と言い、ゴールに飢えていた。

同点弾は、2点目をお膳立てしたメンデスだった。「相手CBはサイズがないと(スカウティングで)伝えられていて、生かせて良かった。素晴らしいボールが来たので、ニア(サイド)に入って頭で決められた」。後半20分、直接FKから相手守備に競り勝って、打点の高いヘディングで同点。逆転ゴールも、CKからニアに飛び込んだヘディングから、相手GKのミスを誘ってみせた。

勝利に貢献したのは得点者だけではない。2点ともキッカーを務めたのは、正確なキックを武器にする2年目の元スウェーデン代表DFエミル・サロモンソン(32)。さらに、後半スタートから投入された今季途中から加入の元ベルギーU-19代表MFジョルディ・クルークス(27)と、2年目でスペイン人の188センチFWフアンマ・デルガド(30)の存在も大きかった。

長谷部茂利監督(50)が「2人は非常に良かった」と評す暴れっぷりで、クルークスについては「右サイドを起点に推進力を出してくれた」。デルガドについては「ボールを収め味方につなげてくれた。CBと思うぐらい守備も良かった」。

この日はベンチ外だったが2年目のスペイン人DFカルロス・グティエレス(29)、新加入のカメルーン人FWジョン・マリ(28)とブラジル人MFカウエ(31)もチームの躍進を支えている。

コロナ禍の過密日程でも外国人選手を有効活用しながら、攻守に強度の高い戦力維持で好成績につなげている。【菊川光一】