J2アルビレックス新潟の“タッチライン際の司令塔”、MF藤原奏哉(25)が勝利に導く。5日のアウェー甲府戦に向け、4日は聖籠町での最終調整。開幕から右サイドバック(SB)で全16試合先発出場を続けるユーティリティープレーヤーは好調をアピールするかのように、常に笑顔でボールを追いかけた。

従来のSBの型にはまらない。相手からボールを奪い取るような守備力に加え、正確な配球能力と戦術理解力を見せる。元々はMFだっただけに外だけでなく内にもポジションを取り、積極的にビルドアップに参加。「ただ、パスを出すだけでは崩せない。自分のところで相手を1枚はがすことを意識している」とボールを納めてから、独特の「ため」で相手をおびき寄せ、空いたスペースを突くパスやドリブルを仕掛けている。

チームは前節5月30日の琉球戦(2○1)で、4戦ぶりに白星を挙げて、勝ち点を36に伸ばして首位を奪回。勝ち点7差に迫る5位甲府も直近5試合は3勝2分けと好調をキープしている。相手のサイド攻撃とセットプレーを警戒した上で、タイミング良く攻撃参加をもくろむ藤原は「そろそろゴールが欲しい。おいしいパスが来るところに入り込み、頂きたい」と独特の言い回しで勝ち点3と今季初得点ゲットを誓った。【小林忠】