アルビレックス新潟はFW矢村健(24)のバースデー弾2発を含む4得点で金沢を4-1で粉砕。3年ぶりに初戦を突破し、3回戦進出を決めた。前半23分にDF田上大地(27)が右CKを頭で合わせ先制。3分後にMF三戸舜介(18)が続くと、前半終了間際と後半開始早々に、この日誕生日の矢村が連続得点した。好調なリーグ戦で出場機会に恵まれない選手たちが躍動し、層の厚さを見せたチームは7月7日にJ1・セレッソ大阪と対戦する。

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矢村が24回目の誕生日を最高の形で祝った。2-0の前半42分、ペナルティーエリア左でパスを受けると、相手を引きずるようにドリブルでカットイン。右足で強引にネットを揺らした。4月17日のリーグ戦第8節でも同じ相手から得点を挙げている「金沢キラー」は後半6分にもFW小見洋太(18)の左クロスを合わせ、この日2点目をゲット。ゴール後は雄たけびを上げ、チームメートを呼び込んだ。

ここまで出場機会に恵まれない選手がピッチで輝いた。この日のメンバーでリーグ戦で先発出場を果たしているのは矢村、早川、三戸、ゴンサロの4人。アルベルト監督は前日8日の会見で「彼らには試合を満喫してほしいし、プレーを見るのが楽しみ」と話していた。選手は監督の思惑通り、積極的に相手ゴールに襲いかかり、何度も会場を沸かせた。高卒ルーキーの小見はドリブル突破から2アシスト。矢村とともにリーグ戦出場へ、好プレーを連発した。

昨季の天皇杯は新型コロナウイルスの影響で大会規模が縮小。新潟は不参加だった。就任2年目のスペイン人指揮官にとっては国内で臨む初めてのトーナメント戦。「リーグ戦はクラブの経営規模が影響するが、トーナメントは関係ない」と3回戦、J1・C大阪戦へ向けて闘志を見せた。【小林忠】

▽アルベルト監督「しっかりボールを支配し、試合をコントロールできた。サイド攻撃が機能し、多くのゴール決められた。チームで取り組んでいるサッカーが全選手に浸透していることをうれしく思う」。

▽プロデビュー戦で2アシストのFW小見洋太(18=昌平)「ファーストプレーで弱気になってしまったが、それで逆に吹っ切れて、いいプレーを出せた。自信のある突破という部分は出せたので、次はゴールを狙いたい」。

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