9季ぶりに参戦の名古屋グランパスが、苦しみながら得意の「ウノゼロ(1-0)」で白星発進した。

ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と対戦。荒れたピッチに苦しんだが後半15分、MF阿部浩之(31)が先制弾を決め逃げ切った。中2日で25日には初戦を勝利した浦項(韓国)と対戦する。大会は組ごとに同一国で集中開催され、日本勢は川崎F、G大阪、C大阪も参戦。各組1位と、2位のうち成績上位3チームの計8チームが決勝トーナメントに進む。

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名古屋は押し込みながら、荒れたピッチに悩まされてゴール前でパスの精度を欠いた。前半は0-0。フィッカデンティ監督は「試合前にも話した通り、難しい試合になった。ただあせってはいけない。我慢比べになる」と振り返る。序盤から反則の多い展開。ACLならではの厳しい戦いの中で、2つのジャッジが名古屋に勝利をもたらした。

後半15分、MF阿部が決勝点となるゴールを決めた。ゴール前のFW山崎からのラストパス。その山崎の位置がオフサイドだとジョホールの選手が猛抗議も、認められず。そして後半ロスタイム2分、ジョホールMFベルクソンが同点ゴール、と思いきやゴール前での木本との競り合いがファウルの判断でノーゴール。主審の笛に救われた。

阿部は「どの大会でも初戦で勝ち点3をとるのは難しい。その中でゴールを決めて、貢献できたのはうれしい」。指揮官も「難しい状況で90分、(気持ちを)切らさずに戦えた。勝ちきれたことは素晴らしい」と評価した。

苦しみながらも、らしいスタートとなった。16日間で6試合の過密日程、タイでの集中開催。次戦は地元タイのラチャブリを2-0で破った浦項との対戦になる。決勝T進出へ、フィッカデンティ監督は「(浦項は)いいチーム。それよりもしっかりリカバリーして、どういうメンバーで、どういう試合ができるかだ」と自チームに目を向ける。アジア王者へ、過酷な戦いが幕を開けた。