柏レイソルがロスタイムの3発で湘南ベルマーレに逆転勝ちし、4月24日の徳島ヴォルティス戦以来、9試合ぶりに白星を挙げた。

背番号「10」のMF江坂任が浦和レッズに移籍した直後の試合。負傷から8試合ぶりに戦列復帰し、リーグ初先発のFWペドロ・ハウルが2得点のほか、高さを生かしたヘディングで全得点に絡む活躍。後半途中出場のFWクリスティアーノ、MF三原、神谷、DF北爪も結果を残し、ネルシーニョ監督の采配が的中した。

チームは4連敗中で降格圏に沈んでいた。90分を終えた時点で1-2。今節も競り負けるか…と思いきや、ロスタイムにドラマが待っていた。ペドロ・ハウルのヘディングを起点にDF大南の得点で同点に追いつくと、直後に、再びペドロ・ハウルのヘディングの落としに反応したクリスティアーノが勝ち越し点。最後は北爪のクロスをペドロ・ハウルが押し込みダメ押し。2カ月ぶりの勝ち点3を手にした。

ネルシーニョ監督は「降格圏にいる現実。1つでも順位を上げる意味では非常に重要だった。途中交代の選手もいいつなぎ役をやってくれた。今日の交代は勝利に直結する要因だったと思う。選手はしっかりここまでやってくれていた。ようやくチームで勝利がつかめた」と総括した。

昨季は中東へ移籍したオルンガと浦和に移籍した江坂のホットラインで得点を量産してきた。2人が移籍し、今季のチームは大きく変わった。その中で、ペドロ・ハウルが新エースに名乗りを上げた。ネルシーニョ監督は「瀬川との2トップで、彼らがうまく前線でボールを引き出しスペースを空けてくれた。前線でボールを収めてくれてライン間をコンパクトに保つことができた」とFW瀬川との連係に手ごたえを口にし「最後まで選手が戦った結果」とチーム全員の奮闘をたたえた。

勝ち越し点を決めたクリスティアーノは、ペドロ・ハウルとの連係に「起点となるFWとプレーすることはすごく好きで、以前はオルンガとプレーして、長い間、2人で活躍ができていた。ペドロもけがから復帰して、私自身も少しけがを持っていたが、幸い、短い時間の中で2人で結果を出すことができて。彼の貢献は高かった。彼にはおめでとうと言いたい」と新エースの活躍を祝福した。

劇的な勝利で、順位は16位に上がり、降格圏を脱出した。長いトンネルを抜けた柏が、後半戦に巻き返す準備は整いつつある。