アルビレックス新潟は3-0で栃木SCに快勝。リーグ戦後半初戦を白星で飾った。

前半12分、同31分にMF高木善朗(28)が連続ゴールを奪うと、後半20分にFW谷口海斗(25)がとどめを刺した。ボランチでは左膝手術から復帰した福田晃斗(29)が約8カ月ぶりにビッグスワンスタジアムのピッチに登場し、フル出場。攻守で安定したプレーを披露した。3試合ぶりに白星を挙げた新潟は勝ち点を44に伸ばし、4位から3位に順位を上げた。リーグ戦中断前ラストマッチとなる次節17日はJ1昇格を争う京都とアウェーで直接対戦する。

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新潟は3試合ぶりの勝利へ、序盤からギアを上げた。前半12分、右サイドを突破したFW谷口がゴール前に低いクロスを送ると、走り込んだ高木が先制点をゲット。6試合ぶりゴールで波に乗った高木は同31分にもMF星雄次(28)のパスを左足で合わせ、今季9得点目を奪ってみせた。後半20分には谷口が豪快に左足を振り抜き、2戦連発ゴールで勝利を決定づけた。

中盤には頼もしいボランチが戻ってきた。前節3日の磐田戦で左膝の大けがから約8カ月ぶりに復帰を果たした福田。激しいボール奪取で中盤の守備を支えるだけでなく、正確なパスで攻撃の起点にもなった。昨シーズン第32節11月8日北九州戦以来となるスタメン出場。その日と同じピッチで悲鳴を上げた左膝を気にする様子は一切見せず、90分間、全力でボールを追い続けた。

福田は昨年11月に左膝前十字靱帯(じんたい)損傷、左膝外側半月板損傷の手術を受けた。リハビリは長く苦しいものとなったが、家族や仲間からの言葉が励みになった。また、昨季限りで引退した元川崎F・MF中村憲剛氏(40)の存在も力となった。「憲剛さんも同じけがをしたが、復帰戦(20年8月29日、清水戦)でゴールを挙げた。かなり勇気になったし、次は自分が誰かに勇気を与えられる存在になりたい」。同じようなケガで苦しむ選手たちの目標にもなる活躍を誓う背番号17は、さらに強さと輝きを増して、ピッチに戻ってきた。

この日は守備の安定も光った。ロングボールを多様する相手の攻撃をセンターバック陣がはね返し、ピンチを防いだ。終盤には相手がPKを失敗するなど運も味方につけた。攻守がかみ合った新潟は今季8度目の完封勝利で勝ち点を44に伸ばし、上をいく磐田と京都にプレッシャーをかけた。【小林忠】

▽新潟アルベルト監督「序盤から相手がハイプレスで来ることは予想していた。早い時間で先制できたことがすべて。しっかりボールを支配することと、相手の背後のスペースを突くというバランスを保ちながら試合を展開できた」。

▽ダメ押し弾の谷口「(福田)晃斗さんからパスが出るイメージはあった。角度はなかったが、しっかり足を振り抜けた」

▽2得点の高木「低いクロスから2点を取れた。ボランチの(福田)晃斗君とヤン(高)がいい位置にサポートに入ってくれたので、いつもよりファウルを受けることなく楽にプレーできた」