J3藤枝と沼津の「静岡ダービー」が、10日午後2時から藤枝総合運動公園サッカー場で行われる。ホームの藤枝は、特別指定選手で中京大4年のMF久保藤次郎(とうじろう、22)が3戦連発を誓った。沼津はチーム最多7得点を挙げているFW渡辺りょう(24)が、2試合連続得点を宣言。ライバルからのゴールをきっかけに、目標の2桁得点達成へギアを上げる。

   ◇   ◇   ◇

現役の大学生が藤枝の攻撃陣を引っ張っている。来季加入が内定しているMF久保は今年6月、大学に籍を置きながらJリーグ公式戦に出場できる「特別指定選手」になった。9月19日の福島戦で先発し、プロ初ゴールで決勝点をマーク。今月3日の熊本戦でも1得点し、2試合連続でネットを揺らしている。「ダービーは負けられない。次も狙っていきたい」と言い切った。

本職は右サイドハーフで、果敢に仕掛けるプレーが武器だ。6月からチームに帯同。当初は球際の強さやスピードについていけなかったという。それでも、練習から積極的に取り組み「思い切りやった成功体験の感覚を大事にしてきた」。ピッチで本来の実力を示し始め、直近2試合は先発出場。「大学生とか関係なく、チームの力になりたい」と、プロとしての自覚も芽生えている。

須藤大輔監督(44)に「これからがもっと楽しみな選手」と期待されている。沼津との一戦は、自身の名前を売る絶好の舞台。「注目してもらえるチャンス。自分がゴールを決めて、チームが勝つイメージしかない」と力を込めた。宿敵のネットを揺らし、その名をとどろかせるつもりだ。【神谷亮磨】

 

◆久保藤次郎(くぼ・とうじろう)1999年(平11)4月5日、愛知県生まれ。帝京大可児高を経て中京大に進学。高校3年時には全国高校選手権に出場。今年6月のJ3宮崎戦でプロデビュー。167センチ、64キロ。名前は、戦国武将・伊達政宗の「仮名」でもある藤次郎が由来。東北出身の父親が名付けた。