京都サンガは20日、敵地でファジアーノ岡山と対戦し、J1昇格を目指す。勝利すれば、無条件でJ1昇格が決定する。

18日、オンライン会見に応えた曹貴裁監督の一問一答は以下の通り。

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-今週、選手と何を共有してきたか

曹監督 今度の試合も、今度の試合が終わった後も当たり前ですけど、サッカー選手としての学びというのはあるはず。ポジティブもネガティブもあると思うけど、経験に意味のないものはないと思う。いよいよという気持ちもありますけど、平常心でやりたいし、しっかり相手をリスペクトして戦う中で、アウェーでもたくさんのお客さんが来てくださると聞いている。応援してくれている方のためにも、サンガのゲームをして、勝ち点3を狙いたいです。それ以上もそれ以下もないですね。

-岡山の印象

曹監督 元々、全体の守備意識というのは非常に高いし、失点も少ないチーム。ただ、岡山さんとは前期も対戦していますし、その時も本当にタフなゲームになった。どんなチームになっても勝てる保証はないですけど、相手が何試合負けていないとか自分たちが順位が少し上だというのは、試合の優劣とイコールでつながらないと思っています。相手の弱点を突き、自分たちが隙を与えないような戦い方をしないといけないなと思います。

-プレッシャーを抱えている選手に対しどう接している

曹監督 プレッシャーと思えばプレッシャーだけど、逆に楽しめば自分たちを助けるものですから。ちょっと硬いなと思った時はちょっと話すけど、今のチームを見ると早くゲームがしたいという思いが強いと思う。

-前節の先発陣の意図

曹監督 その時々で調子がいい選手を出していけばいいと思っているし、(MF松田)天馬がキャプテンだからといって、必ず最初に出る理由なんてないと思う。今は11人がレギュラーというより、全員がレギュラーのつもりでやっていくチームしか勝てないと思うので、今度の試合もそういう意味でしっかり選んでいきたいと思います。

-キャプテンマークを巻いたMF川崎はどうだったか

曹監督 自分の可能性をまだ全然気づいていないと思っているから、刺激を受けていって、どんどん上にすくすくと伸びて欲しいなと思っている。今年1年の成長を、また岡山戦でも見せて欲しいなと思っています。まだ見ている世界が、俺の求めているものよりまだ手前というのも感じているけど、まだ見ぬ世界に興味をもって、良いポテンシャルを持っていると思うので頑張って欲しい。

-サポーターに向けて

曹監督 京都市内に住んでいるんですけど、皆さん京都サンガのこと知っているのかな、と思うときもあります。やっぱり清水寺行くよなーとか。でも、試合の日にあれだけのお客さんがいるのは、見えているところでも、見えないところでも、たくさんの方が応援してくれているのが改めて感じますし、アウェーのチケットが早々に売り切れたのは期待感しかないと思う。だからこそ、勝ち点3を守るというより、勝ち点3を奪いにいくようなサッカーをアウェーだけど、しなくちゃいけないなと思う。おごらず、自分たちの良いゾーンで戦って行きたい。

-ボールを使わない練習をあまりしない意図

曹監督 今のサッカーは情報がたくさんあるし、いろんな分析がJリーグの中でも、世界的にも進むことによって、ボールを使わない練習がピッチで表れる効果は0ではないんですけど、結果や内容につながる比率が下がっていると、俺は思っていて。フィジカルも戦術も技術も同時に上げるようなメニューを繰り返していかないと、自分たちのフットボールができない。現在、ボールを使わない練習は0ではないですけど、極力減らしています。考えることと、実際に行うプレーがよどみなく行けるようにしないといけない。ひとつの要素にいろんな要素が入っていないといけないというか「鍋」みたいなもんですよ。今のサッカーは、ハンバーグを食べるだけじゃなくて、いろんなものを食べられる料理をつくらないと良いサッカーで勝っていくというのが難しいなと思います。

-改めてMF川崎にどういう選手になって欲しいか

曹監督 まだまだ技術面でも戦術面でも体力の面でもメンタル面も伸びしろはすごくある。20年の姿を見ている方は「すごく伸びた」と言う方もいて僕もそう思いますけど、僕が湘南時代に教えた子以上に日本のトップ世界のトップに羽ばたいて欲しいなと思っている。夢じゃなくて、目標にできるように時に厳しく話しながらやってきたつもりです。まだ会得できるものはたくさんある。

-チームの勝負強さの理由

曹監督 自分たちはアディショナルタイムで失点したのが0なんですよ。逆に得点は3点か4点もとれている。プレーだけじゃなく、いつどんなプレーを選択するかというのが選手たちに自然に浸透していかないと、ジャッジがバラバラになったり、呼吸が合わなくなって一番大事なところで得点できない現象が起きがち。練習試合を通して、選手の状況判断だったり、自立心は間違いなく上がったと思う。まだまだ物足りないけど、そういう繰り返しが、つながったかなと思います。ただ、今度の試合がそうなる保証もないので、謙虚に目の前の試合に向かっていくしかないと思います。